漫画の価値
- http://alfalfa.livedoor.biz/archives/51532422.html
- http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/1347019.html
漫画の原稿を1枚あたり1万円以上、それもまとめ売りで200万円以上で売りたいという話。
この話がどの程度現実的なのか分からなかったので、とりあえずYahoo!オークションで原稿(原画)の取引価格を見てみました。
最低入札価格は万単位のものもありますが、実際に入札が入っているのは3,000円ちょっとと500円の2件のみ。もともと原画や原稿関連のオークションは数が少ないようです。対して数が多いのはアニメの原画ことセル画です。
ただ、ジブリ作品でさえ入札が入っているのは数万円程度のオークションです。
そういう状況と見たあとで、以下の条件を読むと、余りにも大きすぎる隔たりを感じてしまいます。
とりあえず、1枚1万円以上で売りたいと思う。
原稿売りたし2: 黒岩よしひろブログ
サスケが1冊分200ページくらいだから、200万円以上で。
バリオンも1冊分200ページくらいだから、200万円以上で。
アスカは上下で400ページくらいだから、400万円以上で。
バラ売りはなし、でコミックス1冊分の原稿をまるごと買ってもらえればいいんだけど。
「とりあえず、1枚1万円以上で売りたい」という気持ちはよくわかります。原稿/原画には強い愛着があるでしょうし世界に唯一、ただひとつしかありません。作者からすればおそらく1万円でも安いと感じているのではないでしょうか。
でも、漫画を読む側、購入する側からするとどうでしょう。好きな漫画の原稿を購入することで所有欲は満たしてくれますが、その後は「保管」するしかありません。額に入れて飾ることもできますが、あまり見栄えがいいとは思えません。何しろ漫画原稿なのですから。
絵を飾るという意味で美術品のオークションも少し見てみました。
本の挿絵やFFのキャラクターデザインで有名な天野喜孝さん、イルカやクジラをモチーフにした作品で有名なラッセンの版画です。それでも数万程度の作品しか入札が入っていません。
漫画原稿と違い絵画は「飾る」「インテリア」としての機能がありますが、それでも取引額はこの程度のようです。
私は漫画原稿の美術品としての価値を否定するつもりは全くありません。ただ、それが200枚あったとしても200万円もの価値があるかと言われると疑問に感じます。やはり、漫画は読んでこそ価値があるものです。