ブックオフに裁断した本を買い取って貰えるか問い合わせてみた

まえおき

子どもの頃から本が好きで暇さえあれば(暇がなくても)、本ばかり読んでいました。たぶん、母もよく本を読んでいたのでその影響が大きかったのでしょう。小学校時代は母が買った赤川次郎や西村京太郎の推理小説を読んでいました。また、それらを読んでしまうと祖母の時代小説を読んでいました。とにかく本に飢えていたのですが、なにせ田舎だったので本がありません。町の本屋はドラッグストアと一体だったので読みたい本はほとんどありませんでした。ただ、とにかく本には小さい頃から慣れ親しんできました。


それが今は、時間を見つけてはせっせと本を裁断しスキャニングしています。

正直、最初はかなり抵抗がありましたし、今でも「こんなことをしていいのだろうか」という疑問がよぎることがあります。しかし、紙の本がある限りおそらくスキャニングを止めることはないと思います。最近はよっぽど気に入った一部の本を除いて、基本的は本は古本屋に売ってきました。本当は売りたくなかったのですが本を置く場所がないため、何らかの方法で処分するしかなかったからです。本を捨てる(古紙としてリサイクルする)ことは、気持ち的に抵抗がありました。どのような本であっても、本には価値があるので、それをゴミとして扱うことに納得出来なかったからです。だから、読み終わった本は古本屋に持って行きました。もちろんお金を貰えますがそれは微々たるものですし、そんなことより本がゴミにならないことの方が自分にとってはよっぽど意味がありました。

そして、iPadが発表され今月末には日本でも発売されることが決まった今、本はすべてデジタル化して保管することに決めました。紙や紙の本に対する愛着は今でもあります。しかし要は慣れだと思っています。買った本をすべて手元に置いておけるというメリットの方が、「紙の本」への執着よりずっと大きいものでした。ただ、それで本を捨てることに対する抵抗はなくなりませんでした。

ブックオフに裁断済みの本を買い取って貰えるかをメールで聞いてみた

まずブックオフのサイトで本の買取条件を調べてみると「お売りいただけないもの」として「書き込み・破れ・日焼け・水濡れ・しみ・カビ・臭いなどがあるもの」や「乱丁・落丁のあるもの」がありますが、本の背の部分を切り取ったものに該当する記載はないようでした。そこで念のため、問い合わせフォームで質問してみました。

本の買取条件について確認させて下さい。
文庫本やコミックス等の背部分を裁断機で裁断してページがバラバラになった本の買取は受け付けていますでしょうか。

また、回答いただいた内容をブログ等に転記しても問題ありませんでしょうか。

以上、宜しくお願い致します。


回答していただいた内容は以下でした。

hidematu 様

お問い合わせいただきましてありがとうございます。
ブックオフオンラインカスタマーセンターでございます。
本日のメールは担当:xxがお送りいたします。

ご連絡いただきました件につきましてご回答させていただきます。

弊社での買取の基準としましては基本的に発行年数や状態
(汚れ、書込み等)を重点的に見させていただいております。
それにより恐れ入りますが、お客様にお問合せいただきましたような
ページがバラバラになった本などは買取の対象外とさせていただいて
おります。

ご希望にそえず申し訳ございません。

また弊社の回答をブログ等にお載せしたいとのことですが
弊社としましては差し支えございませんのでお載せいただいても結構で
ございます。

その他ブックオフオンラインに関してご不明な点がございましたら、
いつでもお気軽にお問い合わせください。

今後ともブックオフオンラインをご愛顧いただけますよう
よろしくお願い申し上げます。

※担当の方の名前は私の判断で伏字にさせてもらいました。また、一部、強調表示にしてあります。(ブックオフのxxさん:丁寧な回答ありがとうございました。)

回答内容はある程度予想していた通りの内容でしたが、やはり残念な内容でした。以下、裁断した本(裁断本)の売買について、思っていることを書いてみます。

裁断本を売る立場

上記でも書きましたが本を捨てることにはある種の信仰にも似た抵抗があります。なので、できればその本が無駄にならずに誰かの役に立てばいいなと思っています。せめて通常の中古本の半額以下の価格でも構わないので、買い取ってもらえると非常に嬉しいです。もしかしたら、ゼロ円での引取りでも本を持っていくかも知れません。

裁断本を買う立場

数年前は裁断された本を買うことなど想像することすらできませんでしたが、スキャナがある今は事情がまったく違います。もし自分にとって価値があると思える本やいつまで手元に置いておきたいと思える本であれば、裁断する手間が省けるので定価どころか定価+αででも買うと思います。逆に読み捨てればいいと思っているような本であれば、安く買って、読み終わったらすぐに売ると思います。

古本ビジネスについて

本をデジタルデータ化することは、CDをPCに取り込むのと比べるとかなりの手間です。有料の裁断サービスやスキャニングサービスはお金がかかりますし、裁断機や専用のスキャナーを買って自分でスキャニングする場合には、刃物を扱う怖さもありますし、全自動という訳にはいかないのでそれなりの作業時間もかかります。それでも本が好きな人ほどスキャニングの誘惑が強いのではないでしょうか。そしてそういう人ほど本をたくさん買い、古本屋に本を売ってきたのではないでしょうか。つまり、古本屋にとっての常連の可能性が高い気がします。もしそうであれば、裁断本を売買の対象から外すということは、扱う商品が大きく減る可能性もあると思います。さらに電子書籍が本格的に普及するようなことがあれば、古本ビジネスは成り立たなくなるかも知れません。
今後、本のスキャニングという面倒な作業をどのくらいの人が始めるのか、電子書籍がどの程度普及するのか、そして紙の本が本当に衰退するのか、その時、古本ビジネスがどうなるのかは、今の時点では分かりません。

電子書籍について

たぶん、当分の間、電子書籍を買うことはないと思います。自分がお金と時間、嫌な思いまでして本をスキャニングしているのは、自分の本をいつまでも手元に置いておきたいからです。上記リンク先に書かれているような専用ビューアでしか読めない電子書籍の場合、10年後、20年後に読めなくなっている可能性が大きいでしょう。そんな使い捨て前提の本は読みたいとは思いません。作品とは青空文庫で公開されているように数十年後の後世に伝えられるべきものでしょう。

裁断機とスキャナー、その他

普段、場所を取らないこと、安全なこと、綺麗に切れることなどの理由からこの裁断機を使っています。ただ、事前にカッターで本を分割する必要があります。以下の記事がとても参考になりました。

なお、厚い本は以下の有料サービスを使うことにしました。


FUJITSU ScanSnap S1500 FI-S1500

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スキャナーはこの機種が定番らしいのでほぼ迷わず購入。そして実際に使ってみた感想は本当に使い勝手が良いです。省スペース、1枚あたり数秒という高速スキャン、両面同時読取、2枚読み取りの検出、jpg/pdf選択、Acrobat9 standard(OCR機能付き)添付等々至れり尽くせりです。ただ、トレイにセットできる枚数は50枚程度なのでほとんどの本は1冊スキャンするのに適時原稿を追加するか、何回かに分けての作業が必要になります。
また、Macユーザーですが、Windows用モデルを購入しました。Mac用のソフトも添付されているのでスキャン自体はMacでできます(Acrobat9はWinのみ)。実際の作業自体はBoot Camp上のWindows XPで行っています。


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電子書籍で怖いのがデータの消失です。ハードディスクは壊れるものという前提で使うべきでしょう。このLink Staionはハードディスクを二重化するRAID1が使えるのでハードディスクが1台壊れてもデータが消えません。ただ製品自体が壊れる可能性や間違ってフォーマットしてしまう可能性もゼロではないので、MACユーザーであればTimeMachineとの組み合わせがベターだと思います。また、定期的に別のハードディスクやDVD-Rなどにバックアップするのも効果的だと思います。