CAGR−年平均成長率

CAGR(Compound Annual Growth Rate)、すなわち年平均成長率を求める式は以下である。

CAGR=(\frac{Y}X)^{(\frac{1}a)}-1

ここで、
X=初年度の値
Y=最終年度の値
a=XからYへの経過年数
である。
例えば、2002年度の売上が1000万円、2005年度の売上が1500万円ならば、

CAGR=(\frac{15,000,000}{10,000,000})^{(\frac{1}3)}-1=(1.5)^{(\frac{1}3)}-1 = 0.145 = 14.5%

となる。(≒記号(\fallingdotseq)、ニアリーイコールは使えなかった。)
つまり、

10,000,000\times1.145\times1.145\times1.145=15,011,240

となり、2002年度の売上に年平均成長率14.5%を3回かければ2005年度の売上を求めることができる。

以下はCAGRを求める式の証明。

CAGR=(\frac{Y}X)^{(\frac{1}a)}-1

両辺に1を加えて、a乗する。

(CAGR+1)^a=(\frac{Y}X)

両辺にXを掛けて、各辺を入れ替える。

Y=X(CAGR+1)^a

つまり、a年後の値Yは初年度の値Xに年平均成長率CAGRを経過年分だけ乗じた値となる。

なぜ、こんなことをブログに書く気になったかというと、

  1. exBuzzwordsーCAGRにウソの式が掲載されていた(割り算であるべきところが引き算になっている)
  2. ググったら(日本語サイトの条件では)上記のサイト以外にCAGRの計算式を掲載しているところが見つからなかった
  3. (日本語の)WikipediaにもCAGRが掲載されていなかった

ため。

「ウェブ全体から検索」でググれば英語のWikipediaのCAGRの記事を見つけることができる。

CAGRはいろいろな記事で使われる指標なのに、ウソ計算式がトップで検索され、正しい式がどこにもないのは悲しい気がした。そう言うわけで、自分で説明記事を書いてみました。

追記(2007/02/27)

上記で"ウソ計算式"と書いた式と同じ計算式を全く別のサイトで見つけました。
N's spirit 投資学研究室 > 株式用語・経営用語 > 英数字 > CAGR
もしかして、自分が思いっきり間違った記事を書いてしまったかと思い、海外系サイトを少し検索してみたのですが、ことごとく冒頭の計算式と同じでした。この「引き算」するというのは日本だけで流行っているようです。経過年を1年で計算してみれば式がおかしいのは一目瞭然だと思うのですが。これも一種のニセ科学なのかも知れません。
以下、検索で見つけたCAGR計算式を掲載している海外のサイトです。
Investopedia - CAGR
12MANAGE - Compound Annual Grouwth Rate(CAGR)
moneychimp - Compound Annual Growth Rate (CAGR)
moneyterms - Compound Annual Growth Rate
Answers.com - Compound Annual Growth Rate - CAGR