遠隔操作事件 片山氏に最初に感じた違和感

片山氏が容疑を認めたことで大きく状況が動いた遠隔操作事件。
事件を振り返ってみると、ネットニュース経由ですが片山氏に対して「アレッ」と違和感を感じたのは彼が逮捕された時でした。彼が逮捕された時、警察の動きはマスコミに把握されていてそれなりの数のマスコミが隠れて取材していたようです。逮捕前日には猫カフェでの至近距離からの映像を撮られていますし。でも片山氏は「まったく気づかなかった」とコメントしていました。最初のこのコメントに対する印象は「嘘だろ」でした。でも、他の可能性、マスコミがよっぽど上手く隠れていた、片山氏は常識はずれなほど鈍感だった等もあるかも知れない、とも考えましたがずっと気にはなってました。

今、改めて考えてみると、やはりこの時のマスコミの取材は、メディアスクラムなどで問題になるほどの非常識な取材だったのではと思います。直接、本人に声をかけるほどではなかったにせよ、かなりの人が彼の住居や後をついてまわったのではないかと思います。そして敢えてそれを無視する片山氏。そういう奇妙で異常な状況が数日間続いていたのではないでしょうか。そういう光景を見れば、誰もが「おかしい」と思うでしょう。

でも、一般の国民、視聴者にはそういう状況は分かりません。分かるのは警察がリークしマスコミが報道した情報と、片山氏と弁護士がニコ動などで行う記者会見の情報だけです。つまり誰かが何らかの意図を持って伝えている情報しか知ることができません。

昔、酒鬼薔薇事件という猟奇事件がありました。その犯人からの「挑戦状」の内容からテレビでは犯人像を話していたのですが、高い教養、30代、複数犯という内容でした。でも「挑戦状」そのものの映像がテレビに写った時、ほとんどの視聴者は子どもの犯行だと思ったはずです。手書きの字が子どもの書いた字、そのものでしたから。犯人像を分析していたテレビのコメンテータたちは手紙の映像ではなく、ワープロで打ち直されたものしか見ることができなかったのだと思います。

何が言いたいかというと、意図的に制限された情報しか得ることができない場合、ものごとを判断するための重要な情報を得ることができず、結果的に間違えてしまうということです。
警察は瓦に埋められたスマホを見つけるまで物的証拠は得られなかったようですが、彼が犯人だという確信が持てる何らかの情報を得ていたのではないかと思います。それは逮捕前の行動かも知れませんし、取り調べ時の印象かも知れません。

しかし、結局のところ、「真実」というのは神様にしか分からないものです。だからこそ、どんなに容疑者が怪しかったとしても、やっていいこと、悪いことのルールがあり、たとえば拘留期間も決まっているのに約1年間も拘留するのは間違っています。