今、PCが壊れたらどうするか?

今、PCが壊れたらどうするだろうか。
それもHDDのデータが使えなくなっていたら。

私の場合、15分前の22時44分のデータで復帰できると思う。もちろん、PCを修理に出したり、もしかしたら買い換えたりしなければならないかも知れないし、新品のPCを手に入れても更に数時間はかかるだろう。それでも、数十分前までデータが戻るというのは非常にありがたい。
なぜ、そんなことができるかというと、Macに新しく搭載されたTimeMachineを使っているから。

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タイミングがすべて

毎時間、毎日、Mac差分バックアップは自動的に行われます。Time Machineは毎時間作成したバックアップを過去24時間分、毎日作成したバックアップを1か月分保存し、1か月を過ぎたバックアップは毎週分保存します。

macOS - macOSとは? - Apple(日本)

例えば、今が11月18日23時00分であれば、17日23時まで1時間おきにバックアップが取られており、10月18日までは1日置きのバックアップが取られている。そしてそれ以前は1週間ごとのバックアップが取られていることになる。(自分の場合、11月5日から使い始めたのでそれ以前のバックアップはないが。)


データバックアップが大切だというのは、多くの人が認識していると思う。また、HDD故障で大切なデータを失った人も少なくないに違いない。それでも、定期的にバックアップがとれている人はかなり少ないのではないだろうか。

定期的にバックアップを取る上での課題は次のようなものだと思う。

  • 面倒くさい
  • どうすればいいか分からない
  • 時間がない
  • お金がかかる

たぶん、一番の課題は面倒、手間がかかる事ではないだろうか。PCの使い方は人それぞれだし入っているデータも千差万別だろうが、普通、「今日はバックアップを取ろう」とは思わないだろう。毎週、月曜日はバックアップの日と決めても2週続けば良い方だと思う。そう、バックアップはとても面倒くさい。
また、バックアップは実は非常に難しい。無くなって困るデータは何かと問われれば、メール、写真、音楽データ、動画データ、ドキュメント類と思い浮かぶかも知れないが、それがどこにあるかを把握している人はどれだけいるだろうか。どこにあるか分からなければバックアップは取れない。また、各種アプリケーションの設定ファイルもバックアップしたいだろう。どうすれば、それらをバックアップし、復旧(リストア)できるのか、また、どうやればそれを調べることができるのか。使っているアプリケーションは人それぞれなので、100人いれば100通りのやり方が必要になるだろう。
そして、普通、バックアップは時間がかかる。CDやDVDに焼く場合はもちろん、HDDにバックアップする場合も数十分はかかるのではないだろうか。自分の場合、音楽データが30GB以上はあるので、これが一番時間がかかるかも。1日は24時間しかないのに、役に立つかどうか分からないバックアップのために時間を確保するのは多くの人にとって現実的ではないだろう。
最後に、お金の問題があると思う。バックアップするにはバックアップ先の容量が必要になる。DVDでも4GBくらいしか容量がないのでこれ1枚では数十GBのHDDのバックアップは厳しいと思う。数枚に分けるとなると今度は時間と手間がかかる。外付けHDDは容量も多きいしアクセスが速いが、高い。

まとめると、バックアップは大変なのでとても定期的にはできないということになる。

このバックアップという大変な作業が少しでも楽になる方法を紹介する記事もあるが、この記事の方法の場合、2つの点で問題がある。一つは設定がやはり大変(面倒)であること、一つは復旧が大変(面倒)であるということ。
記事では主要アプリケーション毎にバックアップすべきデータの位置を紹介しているが、それらを正しく設定するのは結構、骨が折れる作業と思う。また、同じ理由で復旧も大変だろう。
また、バックアップの考え方として、データを冗長化する方法と、ある時点のデータを長期保存する方法の2つがある。どちらの方法が優れているという訳ではなく、それぞれ長所と短所があるので人によって使い分けたり、両方使ったりする。記事で紹介しているRealSyncは1つ目の方法の考え方で、同様の方法としてはRAIDがある。自分も、昔、AccuSyncというPC間でファイルを自動同期するソフトを使ったことがあるが、誤ってファイルを消すとバックアップ側でもファイルが消えてしまった気がする。やはり、バックアップをデータ同期ソフトだけに絞るのは厳しいかも知れない。

Windows Vista Business の新しい機能であるボリューム シャドウ コピーを利用すると、作業ファイルの以前のバージョンに戻ることができます。 ボリューム シャドウ コピーでは、作業ファイルのコピーが任意の時点で自動的に作成されます。
(中略)
Windows Vista では、データのバックアップを簡単に作成できるだけでなく、復元が必要なデータにも簡単にアクセスできます。 自分のデータを自分で管理するという、当たり前のことを実現できます。

http://www.microsoft.com/japan/windows/products/windowsvista/features/experiences/smallbusiness/restoring.mspx

最近知ったのだが、VistaにはWindows Server2003に搭載されていた差分バックアップ機能であるVSS(Volume Shadow copy Service)が搭載されているらしい。しかし解せないのはビジネス向けエディションにしか機能が無く、Home BasicおよびHome Premiumには搭載されていないことである。ホームユーザーはバックアップがいらないということなのだろうか。普通、企業はバックアップにもお金や時間をかけられるのだから、ホームユーザーにこそこういった簡易バックアップソリューションが必要なのだと思うのだが。
http://www.microsoft.com/japan/windows/products/windowsvista/editions/choose.mspx

だらだらといろいろ書いたが、何を言いたいかというと、Mac OS X 10.5(Leopard)で搭載されたTime Machineのバックアップ機能がとても使いやすいということ。これは、大容量の外付けHDDを用意する必要はあるが、それをPCに接続しさえすれば、2〜3回クリックするだけで、後は全自動でバックアップを始める。初回のクリックもバックアップをするかどうか、どの外付けHDDを使うかを選ぶだけ。外付けHDDを2回目以降に接続した場合は何も聞かずに勝手にバックアップを再開するし、バックアップ途中で切り離しても次回は接続時にまた再開するだけ。とにかく、バックアップに伴う煩わしさがほとんど解消されている。
また、データの復元もバックアップとして残っている過去世代のどれかを選択すれば、それがそのまま復元される。(らしい。まだ、やったことはないので。)Macでデータ移行をしたことのある人なら分かると思うが、とにかく何かを選択させるという行為がなくなるように設計されている。

以前のエントリーでWindowsからMACに移ったのはWindowsが嫌だったからと書いたが、このTime MachineはMacを選ぶ明確な理由になったと思う。それくらいPCデータのバックアップは大きな課題だったし、大容量の外付けHDDをただ接続すれば良いというTime Machineのコンセプトはすばらしいと思う。