ポッドキャストの普及条件


昨日、「はてブ ランキング」ポッドキャストが欲しいというエントリーの中で「はてなさん、ポッドキャスト作りませんか?」と書きましたが、別に「はてな」じゃなくて自分を含めて、誰がポッドキャストを作っても良いと思います。
はてブは、ネットの玉石混交から良質のコンテンツを抽出する優れた技術です。
はてブそのものが一つのコンテンツとさえ言えるので、得に良い記事を選んで紹介すれば、ポッドキャストも人気コンテンツになると思います。


最新のMACアプリ「iLife'06」はPodcast対応が売りだそうなので、これを使ってみるのも一つの手かもしれません。


それでも、やはりブログと比べると敷居が高いように思います。
いろいろ機材が必要になる以上に高いハードルが、「自分の声を発信すること」に対する抵抗感ではないでしょうか。
日本のブログは匿名のものが多いのに対し、声は個人情報そのものです。
知り合いが聞いたら、すぐに本人だと分かってしまうでしょう。


一方ブログは、匿名性を維持できます。
もし、ブログを「手書き文字」で出さなければならないとしたら、ここまで気軽に書けないし、普及しなかったのではないでしょうか。
(達筆な人は抵抗はないかもしれませんが、私を含めてそうじゃない人の方が大多数でしょう。)
自分の声で話さなければならないポッドキャストは、将に「手書きとブログ」と同じ状態です。
(声に自信のある人はそうでもないかもしれませんが、[以下略])


つまり、ポッドキャストが普及するには、ブログと同じ条件である匿名性のある音声が必要だと思うわけです。
ただ、今のコンピュータの合成音声は、”いかにもコンピュータで合成しました”という感じなのでとても自然な音声とはほど遠い状況です。人間と同レベルを実現するのはまだまだ先の話なのでしょう。
つまり、ブログ並にポッドキャストが普及するのもまだまだ先になるでしょう。


なお、もし本当にコンピュータの合成音声が人間と区別がつかないレベルになったら、いろいろと問題も多いでしょう。
コンピュータが合成するということは、完璧にあらゆる音声を実現できるでしょうから、たとえば、アニメや洋画の吹き替えのための声優さんは必要なくなりますし、今でも被害が続いている振り込め詐欺も簡単に自作自演が可能になるので、被害も増えそうです。
あと、芸能人の声を合成するのも問題なのでしょうね。


ただ、技術は人の都合とは関係なく発展するので、いつかは人間並みの音声合成は可能になるのだと思います。