欧米文化を変えるMANGAの力

ITmediaの「世界を席巻する「MANGA」」が面白かった。以前から海外でMANGAやANIMEが人気という報道はあったが、想像以上であるらしい。

 また、欧州ではコミック本の装丁が、西洋の左開きから日本流の右開きへと急激に変化している。4年前、同じ作品を右開きと左開きの両方で出版したところ、右開きの方が売れたことが転機となった。

 新藤さんは「グーテンベルク印刷機発明以来の西洋文化を、日本の漫画が変えた」と驚きを隠さない。かつては絵を左右反転させた上、文字を修正して印刷していたため、刀を右脇に挿したり、スポーツ選手がみな左利きという矛盾があちこちにみられたが、今ではそんな悩みもなくなった。

Expired

コミック本の左開きから右開きへの変化がこのまま広がり続けるのか、それとも一時的なものなのか、はたまた欧州だけの現象なのかはまだ分からないが、正直、意外だった。これまでも日本の文化、例えば食べ物なら寿司とかカップ麺とかいろいろ輸出されたが、それらはあくまで日本の独特のモノとして輸出されただけで、競合するような文化を変えた訳ではなかった。
近代以降、日本を含むアジアの国々は西欧文化を輸入することで発展してきたと言っても良いと思う。文化、すなわち衣食住の多くの面が西欧化されてきた(今書いている文字も左から右への横書きだし)。だが、逆に日本の文化が西欧の文化を変えたようなことはあっただろうか。時々、つまみ食いのような形で一時的に取り上げられることはあったとしても、文化として根付いたり既存のやり方を変えたりしたことは無かったように思う。

ところが、今回の本の見開きの話は、右開きという日本の文化が左開きという欧米の文化を変えているように見える。それが、今までに例がないことのように思えて、驚いてしまった。もちろん、コミック本という一部の分野だけであるし、今後、どうなるかは分からない訳だが。