iPhoneの何が凄いのか


iPhoneが2007年6月29日に米国で発売され、国内向けのニュースメディアでも取り上げられている。

1月の発表時から”未来の携帯電話”のような印象を持っていたが、実際に発売され、あれもできない/これもできないというような批判的な話も聞くと、最初に感じた印象に疑問も感じるようになった。

スペックを比較すれば、他のスマートフォンを圧倒するような存在ではない。低速なEDGEの採用、メディアカードスロットがなく、FLASHをサポートしていないなど、劣る面も多い。各種機能を個々で見れば、特に新しいものはない。

http://journal.mycom.co.jp/articles/2007/07/01/iphone2/008.html

ハードウェアだけで今の日本の携帯電話と比べると、iPhoneの方が劣っている(サポートしていない)部分が多い。2ちゃんねるでも以下のコピペが使われていた。

951 名前: 名称未設定 Mail: 投稿日: 07/07/01(日) 14:11:10 ID: dOeDqZpE0

酷すぎるiPhoneの特徴

at&tと最低2年契約を結びアクティベーション費用を支払わない限り、単なるiPodとしても使用不可
・バッテリの取り外しすらできず・交換が出来ない
・写真/ビデオメッセージの送信不可(送信できるのはEメールのみ)
・ワイヤレスでダウンロード不可(音楽を読み込むためには一々PCに接続する必要がある)
・テキストを範囲選択・カット・コピー・ペーストすらできない
Bluetoothは搭載するもののA2DPサポートなし
・(つまりBluetoothステレオヘッドホン / ヘッドセットでワイヤレスiPodとしては使えない)
・音楽を着信音に設定することすらできない。iTSで購入した曲ではない生MP3でさえも不可能
・信じられないことにiPhoneには着信メロディ販売サービスが一つも存在しない
・ブラウザはAdobe Flashすらサポートせず
・ページに埋め込まれたビデオも見られない
・動画撮影も不可能
Bluetooth携帯ではわりとサポートされている音声ダイヤル機能もなし
・MMSサポートなし
・番号・メールアドレスをリストとしてメールすることすらできない
(ひとつひとつ登録する以外方法無し)
・一番安いiPhoneでもぼったくりの499ドル(6万円以上)酷すぎ。ありえない。

iPhone Part11

どうでもいいようなこともあるが、日本の携帯ならあたりまえの機能もなかったりしている。なぜ音楽を着信音に設定できないのだろう。テキストのカット/コピー/ペーストができないのも不便かもしれない。

各種機能を個々で見れば、特に新しいものはない。だが全体的な使用感は、たしかに次世代の携帯電話なのだ。iPhoneのマルチタッチを使った滑らかで使っていて楽しい操作、美しい表示や効果、複数の機能のスムースな連携などを体験した後では、同じようにWebやメール、メディア再生に対応する既存のスマートフォンが古くさく見える。"ユーザーが使う"という点で、何歩も先ゆく携帯電話と言える。

http://journal.mycom.co.jp/articles/2007/07/01/iphone2/008.html

レビュー記事ではiPhoneの優れている点とし「使用感」をあげているが、実感として良く分からない。少なくとも自分が人にiPhoneの凄さを説明することはできない。もし「使っていて楽しい操作、美しい表示や効果、複数の機能のスムースな連携」がiPhoneのポイントなら携帯電話の画面をもっと凝ったものにすればiPhoneと競争できるようになるのだろうか。実際にはそんなことにはならないことは、感覚的には分かっている。iPhoneと携帯電話ではほぼ同じ様な機能(電話/メール/WEB/etc.)をもちながら全く違うデバイスなのだから。ただ、その違いが何なのかが分からない。

2ちゃんねるでも、そういうやり取りがあった。

696 名前: 名称未設定 Mail: 投稿日: 07/07/01(日) 05:59:10 ID: wn0cG2zl0

職場の人間はみんな…、

 iPodに携帯が付いただけだろ
 ワンセグ見れねーじゃん
 PSPの方が絶対便利だって
 別に普通じゃん、これ
          …云々
…な感じで、だれもこのシステムを理解していなかったよ。
おれ、今でもNewtonユーザーだけど、発売された当初も今もスゴく馬鹿にされてる。
みんな、機体単体でしか判断基準を持てないんだな、日本の携帯しか知らないと。
このiPhoneがなぜ"Revolutionary"なのか、それを理解するのは日本人には
まだ早いな。
ちなみにマスゴミTVで働いてるが、そんな業界でも理解してる人間は皆無だった。



699 名前: 名称未設定 Mail: sage 投稿日: 07/07/01(日) 06:04:39 ID: 4dlnXSwL0

>>696
>このiPhoneがなぜ"Revolutionary"なのか
俺もそう思うが、ここを詰めておきたいね。
テンプレにしたい。誰かお願い。



706 名前: 名称未設定 Mail: sage 投稿日: 07/07/01(日) 06:23:17 ID: Iw6bDTNh0

何がレボりゅーショナリーなの?
それを教えてくれよ〜。
そんでそれが今後どういう風に影響して結果どうなるわけ?



713 名前: 名称未設定 Mail: 投稿日: 07/07/01(日) 06:37:00 ID: B9IbrPIh0

>>706
「指だけで直感的に操作できる全画面タッチパネルのスマートフォン
このへんかな。



714 名前: 名称未設定 Mail: 投稿日: 07/07/01(日) 06:38:28 ID: wn0cG2zl0

iPodが音楽業界のしきたりを変えたのと同様に、iPhoneがケータイ業界のしきたりを
変えるとしたら何だろう?
今の「携帯端末本体&キャリア」の関係が、
例えば「パソコン本体&インターネットプロバイダ」の関係と同じように
なるのかなぁと思うんだけど…?



717 名前: 名称未設定 Mail: 投稿日: 07/07/01(日) 06:41:18 ID: QbbBl2Oy0

iPhone vs. Windows Mobile 比較すると余計感じるこの違い。
http://www.youtube.com/watch?v=2ww4xatwrNs&mode=related&search=



725 名前: 名称未設定 Mail: sage 投稿日: 07/07/01(日) 07:06:30 ID: QsLABJUZ0

>696
Webや動画を見るための大画面
大きな画面と小さな本体を実現するためのキーボード
高度な操作するためのマルチタッチゼスチャー
そしてそれらをより快適に簡単にするためのUI

単に技術的に革新的な機能を付加しただけじゃなく
ユーザーの快適さを追求するための融合をしている

もちろんマルチタッチは革新的な技術だけど
それらUIによるユーザー体験がRevolutionaryなんじゃない



726 名前: 名称未設定 Mail: sage 投稿日: 07/07/01(日) 07:11:39 ID: KGC92nZD0

>>722
それは無理だろうねw    まあ、その試金石がMNPとかなんだろうけどww

環境さえ整えば可能かもだが、まだ日本には。。

可能になれば、コンビニとかでも販売が開始されそう!



730 名前: 名称未設定 Mail: 投稿日: 07/07/01(日) 07:20:12 ID: wn0cG2zl0

>>725
>それらUIによるユーザー体験がRevolutionaryなんじゃない

そこですよね。自分の場合、今までとは違って「全画面」とか「マルチタッチ」とかっていう
物理的な部分には特にRevolutionaryを感じなかった。。。
たしかにスゲ〜って思ったが、そこはあまり重要じゃないのかもしれない。

>>726
>可能になれば、コンビニとかでも販売が開始されそう!
そして自分で登録作業!
まさに、ケータイの流通の革命。iPodは音楽の流通も制作も変えてしまった。
そこがRevolutionaryのひとつかと。。。

iPhone Part11

ここで言っている以下については、自分もその通りだと思うが、「ユーザーの快適さを追求するための融合」と言われてもやはりピンとこない。今の携帯もユーザー体験を快適にするためにいろいろ作り込んであるし文字の予測入力や学習機能も昔からある。

  • ユーザーの快適さを追求するための融合をしている
  • それらUIによるユーザー体験がRevolutionary
  • 今までとは違って「全画面」とか「マルチタッチ」とかっていう物理的な部分には特にRevolutionaryを感じなかった。。。
  • 自分で登録作業!ケータイの流通の革命。


そういうモヤモヤが以下のジョブズのインタビューを読んで氷解。

ジョブズ 考えていることの1つは、これはユーザーインタフェースにおいてこの23年間で最大のブレイクスルーだということだ。Mac1984年にマウス、ビットマップディスプレイ、フォルダ、アイコンをみんなのものにして以来、進化こそしたものの、大きく変わってはいない。(iPhoneの)このユーザーインタフェース、マルチタッチとダイレクトアクションは革命的なものだ。並外れたもので、自分自身、とてもわくわくしている。

Expired

ジョブズは、23年前、つまり1984年にMacが「マウス、ビットマップディスプレイ、フォルダ、アイコン」でユーザーインターフェースを革命し、今度はiPhoneが「マルチタッチとダイレクトアクション」で革命をおこすと言っている。
確かに、CUIからGUIへの変化は「ユーザーの快適さを追求するための融合」と言えると思う。CUIGUIかの違いはUIの違いだけだからその装置の機能に違いはないだろうし、使い勝手が違うだけだろう。しかし、本当にDOS(CUI)→Windows(GUI)の移行と同レベルの変化/違いが携帯とiPhoneにあるのだろうか。

GUIへの移行では、画面上を自由にポイントできる新しい入力デバイス、マウスが必須だった。ある意味、UIはマウスが使いやすいように最適化されていたとも言えると思う。iPhoneの入力はタッチパネル液晶を介して行うが、動画デモなんかを見ると"指"にUIが最適化されていることが分かる。つまり、iPhoneが画期的なのは、マウスによる操作を前提に作られているPCのGUI OSに相当する、携帯デバイス用の"指"操作に最適化されたGUI OSを発明したことだと思う。この「最適化された」というところがポイントで、単に指で操作するタッチパネルなら、もうかなり昔から銀行のATMで使われている。スタイラスペンで操作する今の携帯機器と似ているので余り違いを感じないが、"指"を前提にしてUIを設計しているんだと思う。時間はかかるかも知れないが、他社も同様の製品を出してくると思うので、"指"操作を前提にしたタッチパネル式製品の一般名称を考えた方が混乱しなくて良いかもしれない。例えば、FUI(Finger User Interface:フィンガー・ユーザー・インターフェース)とか。

携帯電話ユーザーが余りiPhoneに興味がないという話も、PCのDOSWindowsの関係で考えれば分かる気がする。DOSワープロを日常的に使っていて不満を持っていないユーザーにGUIだから使いやすいと言ってWindowsを押しつけてもたぶん拒絶されるだろう。iPhoneと携帯の関係も同じ様な話のように思える。

備考

それにしても、Appleは23年前に革命的な製品を出しながら競合製品にほとんどシェアを奪われてしまった。今回は同じ事にならないように気をつけて欲しいと思う。

UIを革命した話としては、任天堂を連想してしまう。任天堂も「十時キー」を発明してゲーム&ウォッチファミコンをヒットさせ、十時キーは業界標準のUIとなった。そして今度はタッチパネル式のDSをヒットさせ、また新しいポインティングデバイスWiiリモコンを持ったWiiもヒットしている。
(参考:据置ゲームがこの世の地獄から生還するためにせねばならない事 - FIFTH EDITION