先進的すぎる母親

ニコニコ動画経由でイスラエルのテルアビブ大学で日本語の講師をされている山森みかさんの日記を知り、時々読んでいるのだが、10/18と10/19の日記は山森さんがサブカルチャーにとても造詣が深いことがよく分かる内容だった。
10/19のアニメフェス(当然アニメフェスティバルだろう)にハイファ市立芸術中学に通っている娘さんが本を売りに行くそうなのだが、浴衣を着ると売上が伸びるという複数の助言があったとのこと。(それにしても、イスラエルは普通にアニメ関係の催し物が開かれるようなところだったのだろうか。)それについて、娘さんが疑問を持つ。

「どうして浴衣を着ているほうが、売れるの?」
「それはまあ、同じコーヒーを飲むのでもメイドカフェで飲みたいという ようなもんだろ」
「?」
「つまり、日本語のまんが本を手に入れるという消費活動の快楽度が、より上がるから」
「??? お母さんと話していると、頭が痛くなってくるよ」 

10月18日(土)

「コーヒー」で喩えるから、てっきり高級品/安物のコーヒーカップの例かと思ったら、「メイドカフェ」が出てきて驚いた。「消費活動の快楽度」という表現もなかなか凄い。


翌日の日記も面白かった。以下、娘さんからの電話の内容。

昼間、電話をかけてきて言うには、自分は少女まんがしか持っていないし、古本はけっこう売れているけれど、女の子たちはホントはやおいが読みたいんだよ、やおいはないのか、と何度も聞かれるんだよ、とのこと。

10月19日(日)

イスラエルの女の子たちは「やおい」を読みたがっているというのは本当なのだろうか。と言うか、「やおい」というジャンルを知っていることがすでに凄い。

「だから、自分は全然どこがいいのか分からないけれど、来年の夏はやおいのマンガを買って帰ろうと思う」というので、そ、それは未成年のうちはやめてくれないか、と頼む。自分ひとりで読むのであれば、18禁でも何でも読めばいいけれど、古本を売るとなると話が違う。だいたいああいうところは、自分が本当に好きだと思うもの、自分が描いたもの、そしてそれについての情報を交換するのが楽しいのであって、自分が分からないものを持っていっても楽しくないよ。

10月19日(日)

「それは未成年のうちはやめてくれないか」と頼むのは分かるのだけど、「自分ひとりで読むのであれば、18禁でも何でも読めばいい」というのはちょっと違うかも。
このあと、「でも、ジャニーズがイスラエル人にも好まれるということは、やおいも好まれるということである。」以降、ジャニーズを例にアイドル論が展開される。確かに言っていることは正しいとは思うが。。。

最後の方で娘さんに「放課後保健室」という漫画を薦めるが断られてしまう。どんな本かと思って(まさか18禁かも)Amazonレビューを読んでみると、なかなか面白そうな本だった。

放課後保健室 (1) (プリンセスコミックス)

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