アメリカ初の黒人大統領

タイトル通り。間違いなく歴史的な出来事だと思う。なので、思ったことを少し書いてみたい。
今から約14〜20万年前に私たち人類の共通の祖先はアフリカいたらしい。それがなぜ現在のような分布、つまりアフリカに黒人、欧州は白人、アジアはモンゴロイド黄色人種)になったのかは分からないが、たぶん、弱い順番にアフリカを追い出されたんだと思う。オリンピックの陸上競技を観ると黒人にアジア人は敵わないという気がしてくる。後は、戦闘を好まなかったという理由もあるかもしれない。
それから年月が過ぎて大航海時代。以前はこの時代を大発見時代と呼んでいたそうだが、どちらの呼び方も時代背景を意図的にぼかしているように思えて好きじゃない。要するにこれ以降の時代は、白人による世界征服の時代なんだと思う。世界中の文明化されていない国々を侵略して植民地にする。1884年ベルリン会議(アフリカ分割)では白人同士の争いを避けるためにアフリカを植民地にするためのルールを決めている。この頃は白人が支配者で、他は被支配者だと考えられていたらしい。

当時のヨーロッパの人々は、奴隷貿易の廃絶を求めるなど、アフリカの人々に人間としての権利を認めるようになっていたが、しかし一方で、アフリカの人々はヨーロッパの人々より人種的・文明的に劣等であるという意識を強烈に持つようになっていた。こうした考えを抱いたヨーロッパの人々にとって、アフリカ現地の人々を支配下に組み込み、ヨーロッパ式の宗教、政治制度、言語、文化を「与える」ことは、未開な人々を文明化する行為である(altruism)とみなされ、植民地獲得は文明の名のもとに正当化された。

アフリカ分割 - Wikipedia

引用ではアフリカの人たちについて説明しているが、有色人種一般に対して当てはまることだったらしい。実際、白人から見て文明国と言えるのは自分たちの国しかなかったのだから仕方がなかったのかもしれない。
しかし、その後は日露戦争での日本の勝利や、植民地の独立が続き、白人の地位や優位性は低下し始め、現在ではある人種が他の人種より優れていると信じている人たちは少数だと思う。それでも、ついこの前もノーベル賞受賞者がそんなことを言ってニュースになったりもする。

結局、人類の歴史のほとんどは人種の争いばかりで、今はその後遺症に苦しんでいる状態なんだと思う。そして、今、このタイミングでアメリカ合衆国に黒人の血を引くオバマ氏が選ばれる。世界に国家と呼ばれる組織/集団は200カ国以上あるらしいが、その中でもアメリカは特別なんだと思う。国連の常任理事国だし、ドルは基軸通貨、世界有数(世界一?)の軍事力を持ち、ボタン一つで世界を滅ぼすこともできる。そういう国の大統領にかつて奴隷として連れてこられた人々の末裔が選ばれるということに対して、アメリカという国の凄さというか大きさを感じざるを得ない。

上記のエントリで今回の大統領選を明治維新に喩えているが、まさにそんな感じがする。「これがアメリカの民主主義なのか」という感じ。革命と呼んでもいい気さえする。

もう一つ驚いたのが、オバマ氏がTwitterを持っていたこと。

We just made history. All of this happened because you gave your time, talent and passion. All of this happened because of you. Thanks

Barack Obama on Twitter: "We just made history. All of this happened because you gave your time, talent and passion. All of this happened because of you. Thanks"

こういうコメントを大統領候補本人がリアルタイムに発信できる状況が羨ましい。日本の(総理)大臣でTwitterを知っている人はいるんだろうか。その仕組みを理解できるんだろうか。仮にそれが理解できたとして、それを使う必要性を分かってくれるんだろうか。