2009年ブラックフライデーの勝者と敗者

VGChartzの記事によると今年のブラックフライデーの勝者は任天堂だそうです。

2008年の任天堂の売上は以下を参照。

米国の感謝祭以降における年末商戦の立ち上がり一週間での家庭用ゲーム機「Wii」の販売台数は、自社の調査で前年の2倍強となる約80万台、同じく携帯ゲーム機「DS」の販売台数は、同約2割増の80万台程度になることも明らかにした。

任天堂、年末商戦で世界経済悪化の影響は特にない=岩田社長

そして、今年の売上もWiiは80万台、DSは85万台だそうで、昨年とほぼ同等だったそうです(昨年はWiiは2倍、DSは2割増しで売上が伸びていたのだから、売上が昨年から変わらない今年は明らかに失速だ、と言う人もいるかもしれませんが)。ソフトもニューマリWiiWii Sports Resort, Wii Fit Plus, マリオカートWiiなどの定番ソフトが好調とのこと。

ソニーPS3は昨年の2倍以上の40万台近く、PSPは35%ダウン、PS2も25%以上ダウンとのこと。

Xbox360は35%ダウンの32.5万台。


Xbox360が圧倒的だった米国でPS3が販売台数でXbox360を上回ったのは画期的でしたが、米国の累計販売台数ではXbox360:約2,000万台、PS3:約1,000万台とダブルスコアで差を付けられているのでXbox360はほぼ売れそうな家庭に行き渡ったとも考えられます。ちなみにWiiの累計販売台数は2,600万台ですが、まだまだ売れそうな勢いです。


任天堂の岩田社長は任天堂が不況に強い理由をウィッシュリストを例に語っていましたが、同じことを来年も語るのかも知れません。

 (岩田社長)リセッションの時に、ウィッシュリスト(欲しい物のリスト)の1番にあるものと、ウィッシュリストの3番、5番、10番にあるものは影響の受け方が全然違うと思います。任天堂が幸いにして世界の経済環境の変化をあまり受けずに来ているのは、DSやWiiウィッシュリストの1番として欲しいと言っていただけるお客さまの数が多かったからだと私は思っています。

http://news.nifty.com/cs/economy/economyalldetail/yucasee-20090420-657/1.htm


またSD画質対HD画質との対決という見方も出来ます。実際、PS3Xbox360は同じソフトがマルチで提供されている割合が多いです。こう考えた場合、SD(Wii):80万台、HD(PS3+Xbox360):約70万台とおおよそ同じ割合になります。現行世代機は発売から3年以上になりますが、スペックで劣りアイデア勝負のWiiはすぐに飽きられるという一部の噂に反して、今でも他機種と同等以上に売れており、Wii開発時のコンセプトの正しさが改めて確認できた結果になったと思います。(2009/11/30追記)