やっぱりAndroidがiPhoneに勝てないと考える理由

iPhoneにはヤマハが提供しているVocaloidアプリ「iVOCALOID-VY1t」がありますが、Androidにはありません。そして、PC向けのVocaloidソフトはWindows向けのみであり、MacLinux向けはありません。
これらの例は、特定のアプリやソフトウェアをリリースする場合に、今、どのプラットフォームが有力なのかを示していると思います。各プラットフォームはそれぞれ特徴があり、当然、良い点と悪い点があります。また、使い慣れたプラットフォームの方が使い易いと感じると思うので、客観的に優劣を決めることはできません。
Windows Vistaの評判で良い話を聞いたことがありませんでしたが、多くの人はWindowsからMacに移行せずにWindows XPに留まったように見えます。多くのWindowsユーザーにとってはWindowsのソフトが使えることが最優先事項なのだと思います。ソフト開発者も多くのユーザーがいるWindows向けにソフトをリリースするので、そのプラットフォームの対応ソフトが増えていきます。こういったユーザー数が増えるに従ってユーザーの利便性が向上する現象を、専門用語で「ネットワーク外部性」と言うそうです。

ネットワーク外部性(ネットワークがいぶせい)とは、電話などのネットワーク型サービスにおいて、加入者数が増えれば増えるほど、1利用者の便益が増加するという現象である。利用者が増えることによって、ますます利用者が増えるという、正のフィードバックが発生する。


今現在、iPhoneAndroidに、WindowsMacほどの差があるとは思えませんが、まだiPhoneの方が優位を維持しています。アプリ開発者は、iPhoneAndroidの両方にアプリを開発できるなら両方に提供するでしょうが、どちらか一方しか出せな場合はiPhoneを選んでいるように見えます。ふだん、Macを使っているとWindows専用ソフトしかなく不満なことが多々あるのですが、iPhoneではそういうことは滅多にありません。未来永劫とまでは言いませんが、しばらくはiPhoneの今の地位は揺るがないでしょう。

Q&A

コメントをいただいたので届くかどうか分かりませんが返事を書いてみます。

爆発的に増えるであろう、これからスマフォを使う人の観点がない。

iPhoneAndroidは予想以上に売れてはいますが、今は日本でも世界でもマイナーな存在です。多くの人は海外だとメッセンジャー&携帯電話、日本だとガラケーフィーチャーフォン)です。では、彼らがスマフォに切り替えるとしたらiPhoneAndroidのどちらを選ぶでしょう。何か新しいサービスが始まる時に、最初に提供されるプラットフォームと数カ月後にサポートされるプラットフォームがあったら、普通は前者を選びます。ひと通りアプリが揃っているプラットフォームと一部でも有名なアプリがないプラットフォームがあったら、やはり前者を選びます。それが自然な判断だと思います。「ネットワーク外部性」は専門的知識がなく、そもそも関心すらほとんどない多くの人の判断に大きな影響を持つ考え方だと考えています。
Angry birds米Starbucksのスマフォ連携などの例ではiPhoneAndroidより優先されてますし、食べログのアプリは今のところiPhone向けにしか提供されていません。また、昨年は絶版マンガが無料で読めるJコミが話題になりましたが、iPhoneアプリなら多くのリーダーがありますし、すぐにJコミ向け対応したアプリもあります。

MacがWinよりシェアが低いから、というシェア理論なので、Androidが急速にシェアを上げている現状では意味をなさないかなと思いました先生!

良い質問ですネ!(とか釣られて言ってみたり)。新人アイドルがデビューした時に使われる常套句として「人気急上昇中」という言葉あります。新人なのだから当然、知名度は低い(ゼロ)のですから宣伝すれば人気は急に上がります。当たり前のことを言っているだけなのに、何となくスゴイように聞こえるので、便利な言葉だなと思います。Androidもスマフォ・ブームの流れに乗って多くの企業が参加して一気にシェアを伸ばしました。でも、すでにある程度シェアを伸ばした今は、今までのようなシェアの拡大は難しいでしょうし、アプリの充実度や優先度でiPhoneに劣っている状況は、逆にシェアの低下につながります。スマフォのアプリを開発している方(技術ではなくマーケットを見ている人)にiPhoneAndroidのどちらが魅力的か聞いてみたいです。