「ネットワーク外部性」を超える方法
以前にはてブやTwitterで人気だった記事が面白かったので、コミPo!で漫画にしてみました。
よく分からない物について説明する時や自分が理解しようとする時に、大まかなイメージをつかむことは理解を早める良い方法だと思うので、an・anの説明の仕方は間違っていないと思います。
本題ですが興味深いニュースがあったのでエントリを書くことにしました。
NokiaとMicrosoftがスマートフォンの分野で戦略的に提携するというニュースです。日本でNokiaの知名度は低いですが、[2010年2Qのトップ企業7社の売上全体で27%を占めてトップとなっています。(日本企業が1社も入っていないのは売上が低いからです。)でも、スマートフォンでは出遅れています。また、Microsoftは知らない人はいないであろう大企業ですし、スマートフォンもWindows Phoneという製品を出しているのですが、iPhoneやAndroidと比べると見劣りします。スペックや使い勝手的には悪いようには見えないにも関わらずです。
http://www.youtube.com/user/windowsphone?blend=2&ob=1
特に各スマートフォンの対応アプリの数では大きな差があります。
iPhoneとAndroidはこの記事から、Windows Phoneは”Windows Marketplace for Mobile”(英語のみ)の登録数をざっと見た感じで書いています。
はてブのコメントを読むと弱者連合という書き込みが散見されます。
でも、個人的にはWindows Phoneは、Android以上にiPhoneに対抗できる可能性を持っていると考えています。その理由は「差別化」です。ノキアCEO スティーブン・エロップ氏は会見で以下のように語っています。
「Androidエコシステムのなかでは差別化が難しい」「コモディティ化のリスクが非常に高く、価格も利益もあらゆるものが押し下げられてゆく。価値がGoogle に移転していることも懸念した」
Androidは良くも悪くもどんぐりの背比べになります。特別な機能をのせたり特化させることもできますが、それは標準品からの枝分かれを意味するため主流になれません。Googleのバックアップもありますが、GoogleはAndroidだけに機能を提供している訳ではなく、iPhoneにも様々なアプリを提供しており、また、Androidから利益を得ていないためにAndroidを勝たせるモチベーションがないように見えます。
以前、やっぱりAndroidがiPhoneに勝てないと考える理由 - うつせみ日記 (Utsusemi Nikki)というエントリでiPhoneが先行してシェアを獲っているので「ネットワーク外部性」からAndroidはiPhoneに勝てないと書きました。でも単純な方法でシェアを逆転させることができます。それは、iPhoneにはなくAndroidだけが可能な効果的な機能を載せることです。たとえるなら、任天堂がDSやWiiを発売した時のように、またジョブズが初めて世界中にiPhoneを見せた時のように、古い例ならソニーがウォークマンを発売した時のように。でも単純ですが「Only One」というのはなかなかできることではありません。でも、もしかしたらGoogleなら何か凄いことをするかもしれません。しかし、GoogleがそれをAndroidだけに提供するとは考えられません。どちらかと言えば、Appleが新しいことを始めて、iPhoneがさらにAndroidを引き離しそうな気がします。
でも、MicrosoftはWindows Phoneの成功のために自社のあらゆるリソースを惜しまず使うはずです。デスクトップOSではデファクトスタンダードとなりブラウザでも高いシェアを持っていますし、ゲームプラットフォームも持っています。Android携帯ならそこそこの製品を出せばそこそこ売れるでしょう。でも、Windows Phoneはよっぽどの「何か」が無ければ売れません。だからこそMicrosoftは必死で差別化を図っていくと考えます。
世界中の多くの人にとって、OSなんてどうでもいいもの、気にしないものです。Nokiaはどういう端末が地域の人達の望まれているかを知っていますし、Microsoftはそれらの要求に応える能力を持っていると思います。