BCNランキングがめずらしく正論を述べていることについて


携帯オーディオに関して、SONY提灯記事で有名なBCNランキングが至極もっともなことを書いてあったので逆に新鮮だった。

メモリタイプ8割超に激増、売れ筋が、より鮮明になった携帯オーディオ市場」の中のこの部分。

●ラジカセ並みのモデルやシステムを作り出せるのは?

 iPodは確かに売れている。しかしパソコンがなければ成立し得ない製品であることもまた事実だ。アップルは、すべての製品の中心にコンピュータを位置付けているため、PCレスでも使えるiPodが登場するとは考えにくい。

 しかし、これからもっと携帯オーディオのユーザーを広げようと考えると、「家電」として、PCレスでの環境でも十分使える製品は必要になってくるだろう。


自分の想像でしかないが、PCを使えない/使いたくないユーザで外で携帯オーディオを聞いたり家で音楽を聞いたりしている人の数は、PCを使って聞いている人と同数かそれ以上の数になるのではないかと思っている。(どこかにデータはないだろうか。。。)
PCが使えない人だけでなく、PCの起動が面倒だったり、PCで作業しているバックグラウンドでiTunesの様なソフトが動くことに抵抗のある人が結構いるのではないかと思う。
iPodは上記の記事の言い方で言えば”アップルは、すべての製品の中心にコンピュータを位置付けている”ので、PC無しでは使えない。
だから、PCレスの人は今は携帯オーディオはCDかMD、家の中ではミニコンポやラジカセを使うしかない。(「携帯オーディオの音なんて聞いていられない」「数百万のオーディオシステムがある」という少数のハイエンドユーザは無視する。)
つまり、選択肢がないので仕方なく今のオーディオ機器を使っていることになる。
iPodiTunesの優れた点はいろいろあるが、一番大きいのは持っている音楽を一元管理できることだ。CDやMDでそれを実現する方法は、CDチェンジャーしかなく、使い勝手はiPod&iTunesに遠く及ばない。つまり、iPodを使いたいがPCがネックになっている人が今でもたくさんと考えられる。


一方、AppleiPodの発売以来一貫した製品コンセプトの守りながら、製品の強化とラインナップの拡充を続けてきたが、動画対応の5G iPodで一段落ついたと思われる。液晶のカラー化、メモリモデル(nano)、動画対応等(5G)、携帯オーディオに必要な機能はほぼ全て備わったと考えられるからだ。(動画はおまけの機能だとApple自身も言っている。)
しかし、Appleは新製品を出し続けなければならない。さもなければ、やがて競合他社が追いついてきて過当競争になることは目に見えているからだ。iTMSを作った時のような全く新しい差別化要素が必要になっている。


そして、その答えになると思えるのがこの記事。
AppleInsider: Apple が消費者家電市場に殴りこみ:iPod 「boombox」 計画

複数の消息筋は、新しい iPod コンパニオン製品を多数投入することで、Apple は多額の収益が見込める消費者家電へと進出したいと考えているようだ、とのこと。同社は、家電市場で もっとも大きな収益幅 を確保している。


iPod接続が可能な「boombox」(ラジカセ)が売れれば、iPodそのものも一緒に売れる可能性も高い。もし、PCレスがネックでiPodが買えなかった人々がPCユーザーと同数いれば、iPodの売上が単純に2倍になるかもしれない。(以前、この「boombox」を好き勝手に予想したが、一つくらいは予想が当たって欲しい。)

なお、BCNランキングの記事が、なぜこんなことを書いたのか違和感があるが、一言iPodにケチをつけたかっただけのような気がする。「PCが無いと使えない」ことぐらいしか、文句を言うところがなかったのだろう。