情報における産業革命


FIFTH EDITION−書評「ウェブ進化論」と「グーグル Google」。そしてメディアビジネスの競争構造の変化。


18世紀の産業革命により、化石燃料を動力とする機械化によって軽工業製品の生産性が飛躍的に向上した。


Wikipedia−産業革命


現代は、Googleの情報発電所を動力とするコンピュータ化によって、情報産業、つまり新聞や雑誌、TVなどのメディアの生産性が効率化されようとしている。
「生産性の効率化」と言えば聞こえが良いが、実際にはリストラ(再構築)であり、当然、職を失う人も大勢いるだろう。
だが、マイナス面ばかりであるはずもなく、古い巨木が倒れれば後から命にあふれた若木が伸びてくる。
いわゆる、IT産業だ。
日本人の一人として、IT産業がアメリカ企業に独占されるようなことがないように願わずにはいられないが、悲観的にならざるを得ない。
まず、インターネットに国境がない。
そして、新しいIT技術のほとんどはアメリカ発のものがほとんどだ。
(単に私が日本発の技術を知らないだけであることを望む。)


工業の産業革命は工業製品の生産性を向上させるだけにとどまらず、社会、つまり人々の生活を一変させた(らしい)。
自分はこの時代は生きていなかったので、実際のところは分からないが、農民がサラリーマンになったような感じかと思う。
(労働環境はひどかったらしいが。)
そして、各国の産業構造が一変する。
第一次産業から第二次産業への転換である。


現代は第一次、第二次産業に加えて、第三次産業がある。


Wikipedia−第三次産業

第一次産業にも第二次産業にも分類されない産業の分類。情報・知識を集約する点に特徴がある。


工業の産業革命以前にも化石燃料を使わずに生糸を生産していた人たちはいたはずだが、産業革命で壊滅してしまったのではないだろうか。
現代の産業革命である情報革命が直撃するであろうメディア産業の人々は、無事に変革を乗り切ることができるのであろうか。


もちろん、変革が迫られているのはメディア産業の人々だけにとどまらない。
工場の機械化がブルーカラーの効率化だとすれば、情報の産業革命はホワイトカラーの効率化に相当する。
会社内で付加価値を生まない(生めない)人間は淘汰されていくのだろう。