ローザンヌ国際バレエコンクール(その2)

今年もなかなか面白かったけど、やはり今年もあの辛口トーク解説はなかった。
残念。
変わりに日本人の偉い人?が解説されているのですが、やっぱり、歯切れが良くない。
「演目が難しい」「まだこの演技は早すぎる」とかじゃなく、はっきり下手だと言えばいいのにと思ってしまう。


毎年、できるだけこのコンクールだけは見るようにしているのですが、やはり出場されている方は皆すごいと思う。
15〜18歳なのにしっかりと自分の目標を持って努力しているのがひしひしと伝わってくる。
さらに、その中でもひときわすごいと思えるような人が本当に極、希にいる。
自分の場合印象に残っているのは、女性では第30回でスカラシップ第一位とコンテンポラリー・ダンス賞を受賞したユフィ・チェ(北朝鮮)(YUHUI CHOE (Coree)、フランスでは北朝鮮と韓国は同じ?)、男性では第17回で金賞を受賞した熊川哲也
第17回を直接見たわけではないですが、TVで熊川哲也特集というのをやっていてその中で演技が流れていました。
こういうすごいと思った人とそうじゃない人とというのは、動きは同じなのに、印象が全く違うように感じます。
うまく言葉で言い表せないのですが、演説に例えるなら、原稿を棒読みする人と原稿を見ずに自分の言葉で気持ちを込めて語る人になるでしょうか。
この違いは現代舞踊を踊るコンテンポラリー・バリエーションでより顕著な気がします。
この振り付けは大概、訳の分からないものが多い気がするのですが、それを訳の分からないまま踊る人と、自らの意思というか想いを込めて踊る人とに明確に別れます。
そういう違いを見るのもこのコンクールの楽しみなのかなとも思いますが。


で、以前に録画した第30回のDVDを見てみたのですが、辛口解説者の名前が出ていました。
舞踊家のクロード・ド・ヴィルピアンさんという方らしいです。
聞き役はフラヴィア・マテアだそうです。
やはり、すばらしい解説です。
最初の出場者に対して、「首のラインが美しくありません。腕もそうです。彼女はちょっとポッチャリしすぎているように思います。少し控えめに批評しておきましたが、努力が必要です。」と言いたい放題です。
聞き役の人も批判されるのを分かっていながら、それを助長するような言い方をしてますし。
もちろん、良い演技の時には、大絶賛です。
なんだか、聞いている方もすがすがしい感じがします。
何とかこの解説、復活しないでしょうか。


あと気になったのは、この第30回の時には8人のスカラシップ受賞者に1位から8位まで順位が合ったのに今年は順位が無かったことです。
気づかなかっただけでもっと前からなのかもしれませんが、変な平等主義が流行っているのであれば残念です。
このコンクールはバレエの教育の意味合いが強いみたいなのですが、それでも順位はつけるべきだと思うのですが。


<参考>
バレエDVD/VIDEO−第30回ローザンヌ国際バレエコンクール