ネットの本質?!

お金とリアル社会

しあわせのくつ - インターネットビジネスが儲からない理由

つまり、お金によって、直接対面している人以外とも取引ができる様になったし、取引物を取引の場に必ず持ってくる必要もないし、取引の時間や場所が一致している必要もなくなった。お金のおかげだ。こういう制約を解消することこそ、お金の役割だ。

はてな近藤社長(id:jkondo)が「お金はご飯の様なもの」と言ってから、「お金って何だろう?」とあれこれ考えていたのですが、この説明が分かりやすい。


ただ、お金は取引の制限を解消する便利な道具なのだけど、あらゆる商品やサービスが基本的にお金で取引されるために、お金を管理する仕事(銀行とか会社の経理部門とか)が必要になってしまう。
(ファンドのように預かったお金を増やす仕事は、物々交換の社会に置き換えるとどうなるんだろう?)


また、リアルの社会では何をするにもお金が絡む。
例えば実体の無い情報を流通させる場合もそうで、「こういう商品があるよ」という情報を送る場合は情報発信側で広告費がかかるし、本の場合は情報受信側でコストを負担する仕組みになっている。
特に本の場合、支払われるコストの5%前後しか情報発信者に支払われず、ほとんどは情報を載せる媒体や管理費に消えてしまう。

ネットの社会(いわゆる”あちら側”)

再び冒頭の記事から抜粋。

お金がないのに、経済や価値が回転するなんてすごいじゃないか。全く新しい世界だ。これこそ資本主義や社会主義と並ぶ程の、新しく、すばらしい経済世界じゃないか。

お金を介さなくてもサービスを受けられる。情報のやり取りができる。なんてすばらしいんだ。

人や物やサービス内容や時間や場所に縛られない。なんて素敵な世界なんだ。

ネットは中抜きと言われていたけど、お金を中抜きするという発想は新鮮だった。
例えるなら、火力発電所の熱エネルギーが、タービンとか電気とかを介さずに、全くロス無く直接部屋の暖房に使えるようなイメージかなと思った。
(いろんな商品やサービスに置き換え可能なお金と、いろんな動力に置き換え可能な電力って似ていませんか。)
あと、これがネットの本質なのかと。


では、本当にネットは儲からないのだろうか。
私たちの生活している世界はリアルの世界であり、リアルの世界がお金で動いているのだから、ネットの情報をリアルの世界で流通する形に変えてやれば良いのではないだろうか。
例えば、ブログを本にしたブログ本は典型的な例だし、Google Base(kokepiさんの記事)は時間と場所の制約を解消するというお金の役割をネットが代用しているとも言える。
自分が欲しい商品と提供できる商品を公開する仕組みがあれば、本当に物々交換の世界が実現できるかもしれない。
そして、取引が成立した場合にだけ少しだけお金を徴収する成功報酬形なら、うまく機能しそうな気がします。
Google Baseの費用負担ってどうなっているのでしょう?)


他には、Linuxの様にネット内では無料で手に入る価値の高い"作品"を、サービスと保証を付加してリアル世界で販売することも可能でしょう。
ブログ本はいつまで成立するか分かりませんが、Google Baseのようなサービスは今後、益々普及していく気がします。
Google EarthSketchUpの様なソフトを無償公開することでネット世界の成果物の価値を高めるGoogleは、未来をどう考えているのでしょう?)


ただ、情報だけを売り物にする既存のリアルの商売は厳しくなるでしょうね。
あちら側では優れた作品が次々と無料公開されているのに、こちが側では何をするにもお金がかかってしまう。
そうなるとTVと同じように広告を付けてコンテンツは無料公開するビジネスモデルしか残されていない。

FIFTH EDITION: ネット時代の商業ソフト販売

思ったのは、今は創造的な作品を作る作家は、自分の作品の売り上げで生活していますが、この仕組みができたのは最近になってからではないかということ。
ルネッサンス時代、多くの作品が生み出されましたがそれらを作成した作家は当時の有力者がパトロンとして支援していた。
これを現代に置き換えると企業によるスポンサー制度になるのだけど、サッカーの様に(地域の)企業が支援するような仕組みにできないかな〜と。
例えば、ハリーポッターの様に世界中に売れている本のスポンサーになれるなら、多くの企業が名乗りを上げるだろうと思う。