ジブリ崩壊の序曲なのか?!

試写会の感想

ジブリの最新作「ゲド戦記」の試写会の感想が一様にひどいらしい。お父さんである宮崎駿監督作品や今までのジブリ作品と比べてと言うより一般の映画と比べて、ひどいということらしい。まるで素人監督の作品の様だというコメントもあった。
私は映画はもとより原作も読んでおらず、予告編しか観ていなかったので、宮崎駿監督とそっくりの絵柄で雰囲気というか感じも同じかと思っていたが、どうも違うらしい。今回の映画監督は宮崎駿監督のお子さんの宮崎吾朗監督ということで、必ず、そのことを批判するコメントはあるだろうと予想していたが、感想を読む限りどうもそういう感じではない。少なくともそういう人は「次回作に期待します」なんて書かない。どうやら本当にひどい出来のジブリ作品ができあがってしまったようだ。

誰が悪い?

感想を読む限りどこが悪いとかというレベルではないそうなので、それをそのまま信じるなら、やはり監督の責任が大きいのだと思う。ただ、監督を選んだ人の責任は監督本人よりも大きい気がする。誰が監督を決めたんだろう。世襲制の弊害は大昔から言われている。「鳶が鷹を生む」こともあるし「蛙の子は蛙」ということもある。もし、自分の身の丈を超える能力を要求されたのであれば、それは本人にとっても周りにとっても悲劇だ。

なぜ、こんなことに?

思いつく理由は2つ。

  1. 偉い人(決定権を持つ人)が「宮崎吾朗監督」と決めていた。
  2. 他に後継者がいなかった。

理由1は余り考えられないが、もしそうならその偉い人には消えて貰えば良いので対策は比較的簡単。ただし、実行できるかどうかは分からないが。理由2は可能性が高いが、対策が困難。

ジブリの今後

今後、ジブリがどうしていくのは、非常に興味深い。もし宮崎駿監督に代わる人材を見つけられていないのなら、とれる選択肢は限られている。今のディズニーが参考になるかも知れない。作品を作る能力は無いのに会社を維持するために作品は作り続けなければならないからだ。何となくこの前話題になったパクリ作家を思い出す。個人でも企業でも才能が枯渇することほど哀れなことはない。

  1. 過去の名作のリメイクする。
  2. 過去の名作の続編を作る。
  3. どっかの名作をパクル。
  4. やっぱり宮崎駿監督。

上記1のリメイクは、まだ歴史の浅いジブリでは厳しいかも知れないが、やって出来ないことはない。デビュー作「風の谷のナウシカ」は今でも人気も高いし環境問題は世界規模での問題になっているのでそれなりに観客は呼べると思う。
上記2の続編も1と同じで前作を観た人なら大概観たいと思うだろう。
で、上記3は、ディズニーだと「ジャングル大帝」から影響を受けたと言われる「ライオンキング」や「不思議の海のナディア」と「アトランティス」似ているという話が有名だと思う。
ただ、いずれにしてもジブリの初期作品からはほど遠い出来になることは間違いない。なんとか過去の名作に泥を塗るようなマネは避けて欲しいとは思う。ディズニーはCG映画のPixarと提携したりTV番組や実写映画(パイレーツ・オブ・カリビアンとか)も手がけたりと手広くやってるけど、ジブリじゃ無理だろうし。
そして上記4の可能性が高い気がするが、やったとして時間稼ぎにしかならない。宮崎駿監督は「ハウルの動く城」を自分が映画を作りたいから作ったと言っていたが、今考えると実はその頃から後継者問題が深刻になっていたのかも知れない。

子供の頃、ワクワクしながら「となりのトトロ」を観ていた自分としては、新しい才能を発掘して新生ジブリとして再出発することを願わずにはいられない。

追記(2006.07.16)

リンク元の履歴から以下の記事を発見。

この記事で鈴木敏夫プロデューサー自らが「宮崎吾朗監督」を仕組んだ張本人ことを認めています。それにしても、絵が描ければ誰でも監督が務まるんでしょうかね。それもジブリ作品の監督が。そんなことで宮崎駿監督が納得するとは思えません。それとも、駿監督も自分の子供には。。。この記事を読む限り、初めから誰が監督をやるかは決まっていたみたいです。少なくとも鈴木Pさんの中では決まっていたのでしょうね。
それにしても、宮崎吾朗さんは38歳で監督デビューだそうですが、今まで何をされていたのでしょうか。記事を読む限りアニメ系の仕事はされていなかったみたいですし、ずっと美術館ということもないでしょうし。カジテツ

あと、上記の記事のブクマのコメントで印象に残った言葉。
「「王朝」はいかにして世襲されるか? 読むべし!、読むべし!、読むべし!」