時をかける少女

今日、話題の時をかける少女を観てきました。
感想は、面白かったとしか言えないのですが、本当に時間の経つのも忘れて見入ってしまいました。

早朝からサラリーマンですし詰め状態の電車に乗って、テアトル新宿に9時前に到着したのですが、すでに人が数人並んでいました。開演まで1時間以上あるのに。自分も並んで、9時45分に開店(?)。待っている間に前の人がデジカメで写真を撮ってました。まさか、ブログに貼るのかな。
席はほぼ中央のちょうど良い席を確保。待った甲斐がありました。
結局、10時を過ぎても端の席は空いていたので、遅く行っても座れたみたいです。


時をかける少女こと、本編の主人公である真琴は、最初から最後までのほとんどを自転車に乗っているか走っているか、転がっているかのいずれかだったような気がします。いや、本当にそんな気がします。観客は1時間以上、その真琴に引きづり回されることになるのですが、全然、嫌な感じはありませんでした。
随所に笑いのネタがちりばめられていたり、話のテンポが良いとか、写真かと見間違えるような背景の描写(学校内の描写がとても良かった。)とか、良いところはいろいろあったのですが、なぜ、あんなに安心して観られたのかを今考えると、悪人が出てこないことと、同じシーンの繰り返しが多かったこと、なのかなと思います。よく考えるとこの映画に悪人が一人も出てこないのです。(可哀想な変な人はいましたが。)


普通、映画には悪人が出てきて主人公が苦難を乗り越えて倒すとか、主人公が理想を求めてとか目的に向かって葛藤するという内容がほとんどなのに、この映画の場合、ただひたすら普通の高校生の日常が描かれています。だからといって、つまらないかというと、全く退屈する暇を与えてくれません。エンドロールも数人を除いて誰も席を立つ人はいませんでした。


あと感じたのは、1シーン、1シーンがとても丁寧に作られているということです。こういうシーン、絵を撮りたかったんだろうなというのが、伝わってきます。「作業」とか場つなぎの様なシーンが無いのが退屈しない理由かも知れません。タイムリープの都合で何度も同じ状況が繰り返されるのに飽きないのは、逆にすごいことのように思います。


見終わった時は、面白い映画だったという印象だったのですが、実は習作を装った傑作なのかもしれないとも、思えてきます。見終わった後は観る前より少しだけ元気になっている、そんな映画だと思いました。