Leopardoの新機能TimeMacineは、WindowsのShadow Copy機能

次期MAC OS Leopardoの新機能TimeMacine

先日に行われたWWDC2006基調講演で、次期MAC OS Leopardoの新機能について説明があったが、その中の一つTimeMacineについてWindowsの「システムの復元」と比較している記事がいくつかあるが、Windowsで近い機能と言えば、Volume Shadow Copy Service(VSS)になる。Windows 2003 Serverでしか提供していない機能なので知らない人も多いと思うが、一般的にはスナップショットと呼ばれる機能である。
WWDC2006基調講演詳報(2)

"Leopard"には、この自動バックアップのためのアプリケーションが付属する。その名も「Time Machine」。自動バックアップ、システム全体の復元、誤消去したファイルの復旧、誤って上書きしたファイルを変更前に戻すなどの機能を持つ。
(中略)
システムの復旧においてWindowsの復元ポイントと違うのは、システムにおいても『必要なものだけ』を任意の過去へと戻せることだろう。

(強調は引用者)

スナップショット機能

スナップショットはデータバックアップ技術の一つで、見かけ上、HDD全体のデータを瞬時にバックアップできる。また、全データのバックアップであるにも関わらず、ほとんどバックアップ容量を必要としない。例えば、50GBのデータを毎日バックアップすれば1週間で350GBの容量になるが、それが使い方にもよるが数GB程度の容量しか必要としない。
種明かしは、ファイルシステムである。データを消してもHDD上にはデータが残っていて専用ソフトで復帰できるという話を聞いたことがあると思う。通常、ファイルを消しても変更してもHDD上に実際のデータが残っており、スナップショットではこのファイルシステムの変更履歴を管理することで、必要最小限の差分バックアップを可能とする。(厳密には違うかも知れないがイメージはあっているはず。)普通のバックアップが全データコピーなら、スナップショットは差分コピーと言える。差分データの管理しかしないからコピー時間も必要ないし、バックアップ領域(管理領域と言うべきか)も最小となる。

Volume Shadow Copy Service(VSS)

Windowsでは、この機能をVSSという機能名で、Windows 2003 Serverで提供している。
VSSについては、以下の記事に詳しく説明が書かれている。

@IT:Windows TIPS -- Tips:シャドウ・コピーでファイルを自動バックアップする(サーバ編)
@IT:Windows TIPS -- Tips:シャドウ・コピーで削除したファイルを復活させる(クライアント編)

この機能を導入すると、右クリックのプロパティで「以前のバージョン」というタブが追加される。そこにバックアップの履歴一覧が表示されていて自由に表示させることが可能だし、オリジナルのファイルなりフォルダなりを復帰させることもできる。ファイルの変更履歴も管理されるので、以前の状態を確認するのにも使うことができる。

ユニークなTimeMacineの実装

ただ、今回驚いたのは、Appleの実装というかユーザーインターフェイス

Apple - Apple - Mac OS X - Leopard Sneak Peek - Time Machine

使い勝手はよくわからないが、この名前と実装はAppleらしいと思った。(ちょっと感動。)

スナップショットの留意事項

なお、スナップショット機能(MACならTimeMachine, WindowsならVSS)を使う上で気をつけなければ行けないのは、これがオペミス(操作ミス)に対するバックアップであるということ。例え、差分情報を外付けHDDに保存していたとしても本体のHDDが故障した場合には、仮に100世代分のバックアップがあっても全データが一瞬で消えてしまう。スナップショット機能は便利なので良いが、万が一に備えて通常のバックアップも定期的に行うことが重要

おまけ

上記にも書いたが、Windowsではスナップショット機能はServerでしか提供していない機能である。AppleがこれをPC向けに提供するとなると、次期Windows Vistaではどうするか、今頃、Microsoftでは悩んでいるのかも知れない。

また、念のためだが、私が知っているTimeMachineの内容はAppleが公開している内容だけである。その内容から推測して上記の記事を書いたが、もちろん、推測と全く違う可能性もある。