「時をかける少女」はファミリー向け映画

ZAKZAK - 中年男号泣のワケ…アニメ映画「時をかける少女」

この記事を読んで、この映画は中年男性向けだと思った人が多かったのではないだろうか。実際に観た人は分かると思うが、決してそんなことはない。そもそも、タイムリープというアイディアを使ってはいるが、映画全体のストーリーは、高校生が将来の進路に悩む姿だったり、高校生同士の「告白」だったりするのに、そんな映画が中年男性向けのはずがない。記事の中では「思わず青春時代に引き戻されて、俺も昔こうだったなぁ」というコメントが紹介されているが、そんな理由で中年男性が映画館に押しかけるなら、他の高校時代を扱った映画がそうなっていてもおかしくないはずだ。

この映画は、老若男女を問わず誰もが安心して楽しめる娯楽映画だと思う。本来、こういう映画が上映される映画館の光景は、親子連れで賑わっていて、主人公の真琴がゴロゴロ転がったり、馬鹿をやったりする度に子供の笑い声がそこかしこから聞こえてきて、居心地悪そうに点在する中年男性映画ファンは笑い声の度に眉にしわを寄せる、そんな光景がぴったりの映画だと思う。実際にはそうなっていないが、それは映画の内容とは関係のない、プロモーションとか上映している映画館が少ないというところに理由があるのだと思う。映画の存在を知らなかったり、泊まりがけじゃないと観られない映画は、特にファミリーでは観ることはできない。


時をかける少女 7月15日より順次全国公開!

■監督メッセージ

筒井康隆氏によって「時をかける少女」が書かれてから40年。当時、少女たちは、「時をかける少女」を読み、未来を夢見た。そして今、かつて未来と夢見られた21世紀に僕らはいる。けれど、決してあの頃、少女たちが憧れた未来ではないはずだ。では、夢見たはずの未来の姿は、どこへ行ってしまったのか?現代の少女たちも、かつてと同じく、未来を夢見るのか?ならば、その未来とは、どのようなものか?この映画には、ふたりの女性が登場する。ひとりは、かつて、「時」をかけた女性。もうひとりは、今、「時」をかける少女。このふたりのヒロインを通じ、時代によって変わっていくものと、時代を経ても変わらないものについて考えてみたいと思う。時をかける少女」には、その時々の言葉で、時々の方法で、時々の少女たちで、何度も語られるべき、世界の秘密が隠されているのだと思う。

監督・細田

(強調は引用者)
上記の監督メッセージを読む限り、この映画は高校生の少女をターゲットに作られていると思う。もちろん様々な年代の人がそれぞれで楽しめるよう作られているが、中でも高校生の少女が一番、内容に共感できるんじゃないかと思う。


3ToheiLog: 「時をかける少女」で幸福になること
この映画の印象はこの記事を読めばよく分かると思う。自分も「映画の楽しさ」を思い出した一人だった。一人でも多くの人がこの映画を観て、映画の楽しさを実感して欲しいと思う。