子供が自殺する理由
最近、テレビのワイドショーでいじめ問題が人気(?)です。(先日まで連日飲酒運転問題を報道していましたが飲酒運転は撲滅できたのでしょうか。)いじめ問題のネタとして文科省が公表している資料「児童の自殺理由でいじめがゼロ件」が何度か取り上げられているのを見ました。
本当にそうなのか、文科省の資料を調べてみました。
・児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査(届出統計)平成16年度 PDF
上記PDFの概要がこちら。
PDF資料のP.47、48が「児童生徒の自殺者数」の調査結果となっている。その平成16年度分を抜き出しして表にしたのが以下。
区分 | 小学校 | 中学校 | 高等学校 | 計 |
---|---|---|---|---|
家庭事情 | 1 | 5 | 5 | 11(8.8) |
学校問題 | 0 | 4 | 8 | 12(9.6) |
病気等による悲観 | 0 | 0 | 3 | 3(2.4) |
厭世(えんせい) | 0 | 4 | 8 | 12(9.6) |
異性問題 | 0 | 0 | 3 | 3(2.4) |
精神障害 | 0 | 0 | 6 | 6(4.8) |
その他 | 3 | 17 | 58 | 78(62.4) |
表の「計」欄の括弧の数字は割合です。
「いじめ」は「学校問題」に含まれますが小中高学校のいずれもゼロ件。
「教師のしっ責」という項目も「学校問題」にありますが、やはりゼロ件。
そして、この結果に対する概要として書かれていた見解が以下。
6.自殺
1 公立の小・中・高等学校の児童生徒の自殺者は125人〔前年度137人〕である。
2 原因別では,「学校問題」などの割合が比較的多い。
確かに「その他」を除くと「学校問題」の割合が比較的多いと言えるのでしょうが、「その他」が6割を超えている結果を見て何の疑問も沸かなかったのでしょうか。まあ、何も思わなかったから、何年も同じ様な形式の調査を続けているのでしょうけど。「その他」の内訳が、多種多様な理由なのか、1〜2個程度の理由なのかは分かりませんが、常識的に考えて、子供の自殺理由がそんなに多いとは思えません。
また、「学校問題」の割合は多いのですが、その内訳は「学業不振」が5、「進路問題」が5、「その他」が2と学校側に直接非がない理由ばかりです。それにしてもまた「その他」です。どうも回答者は「その他」がよほど気に入っているようです。
子供が自殺する理由としては、家庭問題、受験、学校、恋愛、病気ぐらいしか思いつきませんが、もしその他の理由があるなら、その理由を分かるようすべきでしょう。毎年100人近い子供が「原因不明」の理由で命を絶っているのであれば大問題です。
ただ、実際にはその多くは「いじめ」としか思えませんが。
good2ndさんは「子どもってあんまり自殺しないんだなぁ。まあ考えてみりゃ、そうかもな」と言われていますが、私もそう思います。病気を除けばほとんどの子供の自殺は避けられると思います。(大人の世界は難しいんでしょうけど。)