塊魂のようなニコニコ動画

塊魂(かたまりだましい)という結構有名なゲームがある。ゆきだるまを作るときの要領で、塊(かたまり)を転がしながら色んなものをくっつけて大きくしていくというゲームだ。面白いのは、最初はえんぴつやネジのような小物しかくっつかないのに塊が大きくなるにつれて大きなものもくっつくようになり、最終的には車や家までくっついて、ゴロゴロ転がるところ。他人のコンテンツやサービスを使って巨大化していくニコニコ動画は、この塊とよく似ている気がする。


YouTubeからアクセス遮断されて再スタートしたニコニコ動画 (γ)まで、その特徴は動画上に文字を入力できることぐらいだった。それが、2007年6月18日のニコニコ動画 (RC)以降は、民主党の党首向けの特設コーナーを設置したり、ニコニコ動画モバイルau(実験)、ニコニコ市場(仮)を開始し、異業種連携を模索し始める。


それが、約1年後の2008年5月9日には、ニコニコ動画を運営するニワンゴの親会社ドワンゴとヤフーは、協業することを発表する。

ちなみに5月21日時点のドワンゴ時価総額は約631億円、ヤフーは約2兆6257億円。約41倍。たぶん、1年前にはこんなことを予想した人はいなかったんじゃないだろうか。ヤフーは自身で動画投稿サイトであるYahoo!ビデオキャストを持っているのに、ニコニコ動画とYahoo!ショッピングを連携させることを選んだ。GoogleGoogle Videoを持っているのにYouTubeを買収したのと似ている。

また、本業の動画サービスも巨大化している。一人の人間では全てを把握するのが難しいほどに。

何かというと、ニコニコ動画にあがっている動画をほぼオールレンジで閲覧するのは無理になったということ。

最近のニコニコ動画論にぼんよりと思うこと - rerofumiのつぶやき

ニコニコ動画には多くの人が集まるという以上に、趣味・嗜好の異なる人が集まっているのが特徴だと思う。インターネットのサービスには境界はないはずなのに、実際にはサービス毎にまとまってしまっていて、対立が起きたりしている。例えば、mixi - 2ch - はてなみたいに。しかし、ニコニコ動画は比較的、どのサービスともチャネルが繋がっているように見える。この前は、ネットと相性が悪いと思われているJASRACとも契約できたし、テレビ局との調整も続いているらしい。この異質なもの同士を繋げる力が、ヤフーとの協業を成功させ多くの動画やユーザーを集めるニコニコ動画の価値なのだと思う。

参考

みんな大好き 塊魂 PlayStation 2 the Best

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