世界の据置ゲーム機販売数は拡大中(ただし日本を除く)

最近、ニュースやブログなどで据置タイプのゲーム機は流行らなくなり、携帯タイプのゲーム機に移行していくという話をよく目にするが、海外サイトで旧世代(PS2/Xbox/GCPS2世代)と現世代(Wii/Xbox360/PS3Wii世代)の本体販売数を比較し、現世代の方が販売数が多いという結果になったと言っている。

PS2_Gen_vs_Wii_Gen

青い線がPS2世代、つまりPS2/Xbox/GC本体の販売台数の合計を表し、赤い線がWii世代、Wii/Xbox360/PS3本体の販売台数の合計を表す。横軸は販売開始からの「週」を表しているが、販売開始時期がほぼ同時期のWiiPS3はともかく、Xbox360は約1年先行して販売していることに注意する必要がある。
このグラフから、約40週(約9ヶ月)経過した辺りから明らかに現世代機の販売数が旧世代機より伸びていることが分かる。ところが、日本だけは、米国や欧州とは違った結果となっている。

PS2_Wii_Japan

上の日本国内のグラフを見ると、Wii世代(現世代)とPS2世代(旧世代)はほぼ同程度の販売数となっている。なぜ、日本だけ販売台数が伸びず、海外では伸びるのか。

現世代と旧世代の違いを端的に表す図がこの記事に掲載されていたので引用する。

Growth_Losses

これは同一ベンダの本体販売数の比を表している。青線はWii-GCの販売数比、緑はXbox360-Xboxの販売数比、赤はPS3-PS2の販売数比。横軸は他と同様に販売開始からの週で最大は150週となっている。
グラフを見れば明らかだが、任天堂GCと比べてWiiは販売数を大きくを伸ばし、マイクロソフトは横ばい、ソニーは大幅に低下している。逆に、旧世代機のGCが余り売れなかったとか、PS2が売れすぎていたと言えるかもしれない。
つまりは、旧世代はPS2が主要プラットフォームで、現世代ではWiiが主要プラットフォームになりつつあると言うことだろう。さらに、Wiiは従来のゲーマー向けとは異なる「ゲームとは呼べないようなゲーム」をヒットさせることで新しいゲームユーザーを増やし、本体の販売数を押し上げることに成功している。だから、単純に考えれば新規のゲームユーザー分だけ本体販売数は伸びるハズなのだが、日本国内の販売数が減っているということは従来のゲーマーがゲーム機を買わなかったということになる。
以下は推測だが、ゲーム機が売れなくなった理由はいろいろ思いつく。

  • ゲーム以外の娯楽が普及
  • 携帯型ゲーム機の普及
  • 主要プラットフォームの不在
  • ゲーム機本体の価格が高騰
  • ゲームソフトの価格が高騰

海外と日本国内で差が出たことを考えると、これらの理由の中で「主要プラットフォームの不在」が大きいと自分は思っている。旧世代であればPS2を買えばほとんどのゲーマーは遊びたいゲームが遊べた。もちろん、任天堂ファンはGCを買えば良かった。旧世代ではそういう分かりやすい住み分けができていたのだが、現世代はPS3向けのはずのFF13が海外ではXbox360にも出すと言い出したり、モンハン3がPS3からWiiへ変更になったりとユーザーには予測できない状態になっている。「ゲームに適したプラットフォーム」というお題目はあるが、実際にはガンダム無双PS2を含むマルチプラットフォーム化されたり、PS3向けだった忌火起草Wii向けにリメイクされたりと、ゲームメーカー自身が混乱しているようにしか見えない状況になっている。
対して、海外メーカーは明確にマルチプラットフォームを打ち出している。

このゲーム場合、国内はPS3/Xbox360/PS2/Wii/PSP/PCの6プラットフォームだが、米国は更にDS版までがある。グラフィックが売りのレーシングゲームをDS向けに出してどうするだろうとは思うが、おそらくそれは割り切りなのだろう。少なくともユーザーに選択権があるだけ日本のユーザーよりマシかもしれない。つまり、海外のユーザーはHalo3のようなMSの戦略商品を除けば、PS3Xbox360のどちらかを持っていればほとんどのメジャーなゲームは遊ぶことができる。FF13も含めて。

要は、日本だけ本体台数が伸びなかったのはサードパーティのゲームプラットフォーム戦略のミスなんだと思う。もちろんこれにも例外はあって、カプコンはとてもうまくやっていると思う。モンハンも海外での人気がいまいちだが、「日本以外でオンラインになってない。」という課題がWiiで解消されればガラリと状況が変わるかもしれない。