Wiiの"Everyone's Game (みんなのゲーム)"戦略タイトルとゲーマー向けタイトル
７月３０日に任天堂の平成２１年４〜６月期連結決算が発表され以下のように報道されていました。
- http://gameinfo.yahoo.co.jp/news/yjnews/20090730-00000070-reu-bus_all.html
- http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/business/manufacturer/284305/
- Wii販売数が半減以下に 任天堂、ヒット不在で4年ぶり減収減益 - ITmedia NEWS
いずれの記事も昨年比での収益の落ち込みを中心に書かれています。
ただ、以下のエントリによると読売新聞の紙面では今年発売する３本のソフトでそれぞれ１０００万本のセールスを期待しているという岩田社長のコメントが掲載されていたそうです。
既存Wiiユーザー向けタイトル
そして、先日、任天堂のサイトに質疑応答部分も含めて上記発表内容が公開され、１０００万本を期待しているというタイトル名が明らかになりました。意図的かどうかは分かりませんが、マスコミはこういう情報を隠すから嫌いです。
今年の有力ソフトというのは、第2四半期に『Wii Sports Resort』、それから第3四半期に『Wii Fit Plus』と『NewスーパーマリオブラザーズWii』ということになります。
2010年3月期 第1四半期 決算説明会 質疑応答
すでにこれら3つのソフトについては、E3で実演をさせていただきました。触っていただいた方からは非常に高く評価していただきましたし、流通さんからも、「今年の年末のキープレーヤーはやはり任天堂であろう」というふうにご評価いただきましたので、これら3つそれぞれが、世界全体で見れば、通期で 1,000万本以上は十分にねらえるポテンシャルがあるソフトだと思っています。
１９８３年にファミコンが発売されてから２０年以上経っていますが、VGCharzによると世界で１０００万本超えたタイトルは３３本、販売会社はRockstar Games、Maxis、SCE、Blizzard、そして任天堂の５社しかありません。
そういう１０００万本以上という高い目標を設定したタイトルを１年で３本販売し、通期で結果を出すと言っている訳です。もしこれと同じ様な話を任天堂以外の会社がしたならば、そのまま鵜呑みにせずまずは相手の本気度を確認するのが先だと思います。２本以上のタイトルで１０００万本を超えているのは、Rockstar Games、SCE、Blizzard、任天堂だけですし、３本以上は任天堂だけです。任天堂が言う１０００万本に真実味があるのは、これまでに１０００万本以上販売したタイトルが２５本もあるという、実績があるからだと思います。２０１０年度中にこの２５本に３本追加されて２８本になると岩田社長は言っている訳です。
この１０００万本以上の中に、世界的に人気のあるFFシリーズはありませんし、国民的RPGのドラクエシリーズもありません。また、海外で人気のHaloシリーズもありません。良く言われることですが、任天堂のゲームの特徴は世界中であまり偏りなく人気があるということがこの表からも読み取れます。
任天堂はE3で"Everyone's Game (みんなのゲーム)"をテーマに新作タイトルの説明を行いました。
以前のゲーム業界はゲーマーを重視するあまり、高いスキルを追求する傾向にあった。それではゲーム未体験者が参入しにくくなるばかりだ。だからといって、初心者向きのゲームはすぐに飽きられてしまう。ベテランとビギナー、そして新しいゲーマーの開拓を同時に満たすのは難しい。だが、不可能ではない。Wii ハンドルを同梱した『マリオカートWii』はビギナーからベテランまで熱中させ、ゲーム未経験者にもハンドルを握らせた。「正しい製品は、すべてのゲームプレイヤーの相互理解を深め、 社会的に受け入れられるエンターテインメントになる」と岩田氏。
http://journal.mycom.co.jp/news/2009/06/03/054/index.html
1000万本が狙えると言った３本のタイトル「Wii Sports Resort」「Wii Fit Plus」「NewスーパーマリオブラザーズWii」も、ゲームのベテラン、ビギナー、新ゲーマーの誰もが一緒に楽しめるタイトルだと思います。
ゲーマー向けタイトル
８月１日にモンスターハンター３が発売されましたが、２ちゃんねるのファミ通集計情報によると土日の２日間の販売結果は58万3千本だったそうです。
316 名前: ◆PSY/IZWGU. Mail: sage 投稿日: 2009/08/05(水) 22:33:41 ID: svPm1xLN0
総評より
MH3クラコン同梱版が全体の約6割。本体も牽引、前週の4倍以上販売。
ぷよ7安定した人気。前作初週4.9万 累計30.5万なことから、息が長そう。
DSL 12000
DSi 73000
PSP 33000
Wii 93000
PS3 8100
PS2 5600
360 2600
1.MH3 583000
2.DQ9 173000 3390000
3.トモダチ 78000 484000
4.リゾート 59000 794000
5.ぷよ7 51000
6.ギアーズ2 48000
7.AC3P 38000
8.CRエヴァPS2 38000
9.東鳩2P 33000
10.ちびロボ! 26000 66000
318 名前: ◆PSY/IZWGU. Mail: sage 投稿日: 2009/08/05(水) 22:34:32 ID: svPm1xLN0
にゅー
13.CRエヴァDS 13000
14.KOF12PS3 13000
17.どき魔女ぷらす 9400
19.つよきす2学期 8800
22.エヴァオーケストラP 7100
24.ルシアンビーズ 6500
28.KOF12360 5500
30.めちゃモテ 5300
外.脱がせる 4400
外.呪怨 4000
外.トップスピン3PS3 1600
外.サイキン恋シテル 1200
外.ギアーズツイン 1100
外.靴下にゃんこ 650
ほか
２ちゃんねる−PS3がくたたんとかに祝福され週0.8万に落ち込む 268
11.MHP2Gbest 21000 870000
12.ペンギン 20000 76000
15.プロスピPS2 12000 82000
16.プロスピPS3 10000 105000
18.WiiFit 9100 3480000
20.ぼくなつ4 8100 110000
21.塊魂 8100 37000
25.プラチナ 6400 2462000
26.マリカWii 5500 2295000
27.DB 5500 17000
29.リズ天 5500 1775000
5300本以上で30位ランクインでした。
319 名前: 名無しさん必死だな Mail: sage 投稿日: 2009/08/05(水) 22:34:33 ID: kKWDlUxn0
任天堂やポケモンを除くサードパーティ製ゲームでの初週販売結果としては最高の結果ですし、ここ最近、2万台程度して売れていなかったWiiの販売台数が約7万台も増えていることから、従来モンハンを遊んでいたPS系ユーザーがWiiを購入していると考えられます。
また、モンハン３以外にも大作の続編をWii向けに販売する発表がありました。コーエーの戦国無双シリーズの新作です。
タイトルコンセプトは「Wiiで始める一騎当千」。以後4、5、6と長くシリーズを続けていきたいといい、「ユーザーからWiiを代表するタイトルに挙げてもらえるよう育成していきたい」とコメントした。
コーエー、Wii「戦国無双3」発表会を開催。宮本茂氏、GACKTさんなどスペシャルゲストが登場 -GAME Watch
マルガの湖畔さんによると、初代の戦国無双は２００４年に国内でミリオンを達成していますが、２００６年の戦国無双2は５６万本でした。猛将伝という別シリーズは更に少ない販売数となっています。おそらく、こういった現状からPS3とWiiで比較した場合によりユーザー数の多いWiiにプラットフォームを変更したと考えられます。なお、「戦国無双KATANA」というタイトルでWii向けにWiiリモコン操作を活かしたゲームを発売しましたが販売数は３万程度(Wikipedia)と芳しくなく、この本編の操作はクラコン系になるようです。
操作系は、WiiリモコンではなくクラシックコントローラーPROなど従来型のコントローラーを使用。
コーエー、Wii「戦国無双3」発表会を開催。宮本茂氏、GACKTさんなどスペシャルゲストが登場 -GAME Watch
また、PS2で発売されて人気の高かった「大神」がWiiに移植されることになりました。すでに海外ではWii版の大神が発売されているので、なぜ今頃になって国内販売をす売るのか疑問ですが、個人的に以前からやってみたかったタイトルなので大歓迎です。
なお、どういうゲームか知らないという方は以下の実況動画が参考になると思います。実況動画なのであまり見過ぎるとネタバレになってしまうので注意が必要ですが。
任天堂はWii向けに「Wiiで遊ぶ○○」というシリーズでゲームキューブでヒットしたタイトルをWiiに移植していますが、サードパーティも積極的にやって欲しいと思います。カプコンはバイオハザードシリーズでWiiにリメイクしていますし、この大神もありますし、Wii向けに積極的なメーカーだと思います。
まとめ
携帯機の手軽さや性能向上によって、今は据置機から携帯機に移行する流れがありますが、据置機には据置機ならではの面白さがあります。任天堂は据置機のWiiに対しても世界で１０００万本売れるソフトを複数、提供することによって既存ユーザーをつなぎ止め、また更に新しいユーザーを開拓しようとしています。
また、任天堂のゲームが合わないユーザーに対しては、積極的にサードパーティをサポートすることによって、Wiiユーザーを増やそうとしています。先日販売したモンハン３ではクラコンPro（この前、シロを買いに行ったのですが、店頭で実物を見てクロを買ってしまいました。今はシロリモコンと黒のクラコンProが繋がってます。）を同時発売しましたし、黒のWiiも同時発売しました。戦国無双３では「謎の村雨城」モードを用意したり、発表会で宮本専務がゲスト出場したりと、「目に見える形」でのサポートをアピールしているように見えます。
