「ゼノブレイド」ファーストインプレッション

6時間ほど遊んでみたところでの感想です。

全体的な印象はオフライン専用かつ親切設計に作り直したFF11といった感じです。以下、FF11の知識前提で感想を書くので、FF11を遊んだことのない人には分からない用語が多出します。

最初の感想は、とにかく街でもフィールドでもとにかく広く、なおかつキャラクターがどんどん進んで行けてしまうのが楽しいことでした。初めてFF11を遊んだ時のワクワク感を思い出しました。モンハンのようなゲームは「ココまでがフィールド」とシステム側で決められているのですが、ゼノブレイドの場合、「マップ上、全てがフィールド」で一部、進めないところがあるという感じです。
で、モンスターをタゲるとレベルが表示されるのですが、闇雲に進んで行くと自分のレベルが10なのに、レベル30とか70の敵がゴロゴロいるエリアに迷い込んで命からがら逃げ出すといった、懐かしい行動をとったりできます。敵モンスターもアクティブなのとそうじゃないのがいて、FF11のウサギや羊のように襲ってこなければモンスターのレベルが高くても平気なのですが、ゴブリンのようなのがいると進めません。また、レベル表示とは別に「〇〇の△△」といった特別な名前がついたモンスター(同種モンスターより一回り大きい)、いわゆるNM(このゲームでは「ユニークモンスター」)は強く特別なアイテムを落とします。あと、アクティブな敵がいるので、周りに気をつけないとリンクも発生しますし、特定のアーツという攻撃(魔法みたいなもの)に反応するエレのようなモンスターもいるので、FF11で培った過去の経験を生かせるかも知れません。


あと際立った特徴は「ヌルい」です。良く言えば「親切設計」です。RPGなのにデスペナルティがなく、経験値やお金がまったく減らずにランドマークと呼ばれる地点(エリアの切り替えポイントのような場所)まで戻されるだけです。さらにいつでもメニュー画面からマップを開いて各地のランドマークへワープできます。何かFF11のテレポタクシーとは何だったのかと考えさせられてしまいます。そういう仕様のために、いつでもセーブができるという特徴が霞んでしまうのですが、とにかくセーブはいつでも・どこでもできます。その上、さらにこれでいいのかと思ったのが、クエです。街やフィールドにいる人に話しかけると時々、クエを依頼されます。内容はあるアイテムを探して欲しいとか、特定のモンスターを倒して欲しいといったFF11でもお馴染みの内容が多いのですが、お金だけでなく経験値をくれたりします。それだけでなく、クエを受ける前に依頼のモンスターを倒していた場合は依頼を受けると同時に依頼完了になり報酬がもらえます。さらにこのゲームの主人公は未来が見えるという特殊技能を持っているため、アイテム入手時に将来クエで必要になることが分かったりします。それらに加えてさらにヌルいと感じたのは、行ったことのない場所へ行ったり、やったことのないことをすると経験値が貰えます。


戦闘はモンスターをタゲって戦闘を選ぶと始まるのですが、自分の操作キャラ含めてオートでの攻撃になります。プレイヤーはアーツという特殊攻撃の選択や、操作キャラクターの移動に専念します。モンスターの背後や側面から大きなダメージを与えたり、他のキャラと崩し→転倒といった連携攻撃が可能です。戦闘も未来が見えるビジョンやヘイト値管理など色んな要素が盛り込まれていますし、レベル上げでゴリ押しもできそうなので、人それぞれで好きなやり方ができそうです。それから戦闘が終わると体力は自動的にグングン回復していくので、ほとんどストレスには感じないと思います。あと、自分や仲間のキャラが喋りまくるので賑やかです。この辺は好みが分かれそうですが、自分はこっちの方が楽しいと思いました。


そしてストーリーは面白いです。まだ序盤ですが、メリハリがありますし、意外性もあるので、興ざめすることはないと思います。キャラクターの装備は操作キャラに反映されるだけでなく、ムービーにもそのまま反映されるので、ムービーに切り替わっても違和感がありません。逆に見た目の悪い装備をしていると、後悔するかもしれません。


2ちゃんねるのコメントの中に「JRPGの集大成」とあったのですが、今のところの自分の感想も同じです。日本のRPGに対して、海外から時代遅れのような批判を浴びています。しかし、この「ゼノブレイド」は、欧米型RPGとは違う日本独自の日本人にしか作れない世界に通用するRPGになっていると思います。

10.街を活き活きとしたものにする
9.無意味なプレイ時間稼ぎを止める
8.古典的な顔グラフィック&メッセージウインドーの方式を止める
7.一本道を止め、世界を探索する楽しさを入れる
6.ありがちなキャラクターを止める
5.ローカライズの際、声に配慮する
4.オンライン要素を導入する
3.自由にセーブさせる
2.ありがちな物語を止める
1.戦闘を楽しく新しいものにする

ただ残念なのはこういうRPGが、よりによって任天堂から発売されてしまったことです。


Xenoblade ゼノブレイド(特典なし) - Wii

Xenoblade ゼノブレイド(特典なし) - Wii

追記(2010/06/16)

ふと、みんなのニンテンドーチャンネルを観たら、「最近のみんなのおすすめ」で「ゼノブレイド」がプラチナになっていました。
「これまでのおすすめ」にはまだ登録されていませんが、「428」「レギンレイヴ」「スーパーマリオギャラクシー2」と並んで「ゼノブレイド」もプラチナ登録されそうな気がします。

追記(2010/06/19)

上記で「ただ残念なのはこういうRPGが、よりによって任天堂から発売されてしまったこと」と書いた意味について補足しておきます。別に任天堂に対して恨みがある訳ではなく、ゲーム業界のバランスを考えると余り良くないことだと思って、こういう書き方をしました。自分が持っているゲーム業界のイメージは「最近のゲーム業界のイメージ - うつせみ日記 (Utsusemi Nikki)」で書きましたが、こういうイメージは人それぞれで違っているとも思います。それでも、これまで任天堂が手を出していなかったいわゆるJRPGの領域で、これほど完成度の高いタイトルを出してきたことは嬉しい半面、不安も感じました。嬉しいことは今後も良作ゲームが期待できることであり、不安なことはこれまでほぼJRPG専門で作ってきたサードはどうするんだろうかという疑問です。
まあ、結局は大きなお世話なのかも知れませんし、ブログでグダグダ書いてもどうなるものでもないのですが、「ひとり勝ち」は誰にとっても好ましくないのでどうにかならないものだろうかとも思います。何と言うか、マラソンの金メダリストが100m走の金メダルまで取ってしまったような、そんな複雑な感じがします。