インターネットテレビ


ソニーGoogleの組み合わせにより、昨年、米国でGoogle TVが発売されました。あのGoogleがテレビを開発したということで話題になりましたが、自分にはこれがインターネットに対応したテレビとは思えませんでした。その理由が元旦の朝まで生テレビを観ていて分かったので書いてみます。

朝生でのTwitter連動議論

きっかけとなった議論をTogetterから引用します。

インターネットの基本的な特徴として、端末としてのコンピュータが相互接続されたネットワークであることがあげられます。対して、従来のテレビ放送は放送局から視聴者へのコンテンツを配信する一方通行のシステムでした。一部の番組では、電話やファックス、メールなどので視聴者からフィードバックを貰う企画を行っていますが、そのフィードバックの扱いは番組側に委ねられています。その代わり、テレビはより多くの人にコンテンツを周知させる力について圧倒的な能力を持っています。自分がイメージしてた「インターネットテレビ」とは、インターネットの相互接続性とテレビの周知力を備えた「システム」でした。そのためには、各家庭のテレビはインターネットに繋がっている必要はなく、1.視聴者のコメントを番組に届ける仕組みと2.番組内で視聴者のコメントを共有できる仕組みがあれば良いことに気づきました。これは、東浩紀さんの言う「無線LANと端末がここにあるだけでいい」というメッセージと同じものです。

インターネットテレビ

今のマスコミ・メディアには様々なタブーがあり、尚且つそれが隠蔽されており、視聴者はタブーの存在自体に気付くことが難しい状況です。例としては、クロスオーナーシップ、電波利権、記者クラブ再販制度などです。

池田:そうそう(笑)。再販制度は新聞でも雑誌でも一切書けない。再販制度を批判した東京大学の三輪(芳朗)さんは、どこにも書けなくなってしまった。唯一東洋経済だけでしたね。僕みたいに地デジを批判すると、テレビ局は一切お断り。

上記以外にも番組スポンサーに気を使うこともあるでしょうから、タブーの範囲や種類はもっと増えるでしょう。そんな「くだらない理由」で自分の言いたいことが言えない状況では、真剣な議論をする気になるとは思えません。逆にそういう条件を受け入れてテレビに出演している人達は、「番組の方針」の通りに話すだけの人ではないかとさえ思えます。
しかし、視聴者の生の声をリアルタイムで番組出演者が共有できる仕組みを作れば、番組側でタブーを隠蔽できなくなり、この状況は一変します。常に視聴者から番組の内容を監視されることになるため、下手な小細工や演出が行えなくなります。また、番組を監視しコメントする人達は、仮想的に会議に出席しているとも考えることができますから、その延長線上には直接民主制があると思っています。


1995年頃にWindows95でインターネットが一般に普及してからおよそ15年になりますが、ようやくその有効な使い方を人々が理解し始めたような気がしています。そういった例が、Twitterであったり、WikiLeaksなのだと思います。
主要メディアと言えば、新聞、テレビ、雑誌であり、最近はこれらにインターネット系のメディアが加わりました。しかし、メディアを情報発信媒体と考えればその最小単位は個人になります。そしてインターネットは個人単位の情報発信を可能にします。それらの情報を発信する個人がテレビの討論番組に参加することで、テレビは放送局の商売道具から脱却し、今まで存在しなかったまったく新しい存在に生まれ変わると思います。(2011/1/3追記)