国が破綻の危機にあっても2泊以上の旅行をする国、ギリシャ

タイトルがちょっと釣りっぽくなりましたが、Wiiの「みんなで投票チャンネル」を最初に見た時の印象はこんな感じでした。

昨年はギリシャの財政が破綻して世界恐慌が起こるのではないかと、いろいろなメディアで大騒ぎでした。

史上最大の時限爆弾に、刻々と爆発のときが近づきつつある。そうなれば世界経済は炎上し、致命傷を受ける。その爆発とは、膨大な赤字を抱えるギリシャのデフォルト(債務不履行)、つまり国の破綻である。

国が破綻な状況の時、その国の人々はどういう状況に置かれ、どう感じているのか気になっていました。この記事では次のように紹介しています。

この警察官の職場では、人が減っても人員が補充されず、彼は休日も私服でパトロールに当たっている。ギリシャに約10年住んでいる日本人女性も言う。

「13%だった消費税が一部23%になる、郵便小包の受け取り時に4ユーロ(約420円)取られる、ときどき数十万円単位の追徴課税をされる・・・・・・など、ここ最近で、出て行くお金が5割増しになりました。夫(ギリシャ人)は民間人で、『このままだと生活できなくなる。不安で夜も眠れない』と言います。夫の親の年金も2割カットされました」

 こういう事態が進んだ結果、各地で、給与が何ヵ月も支払われないケースが続出。失業率は20%近く、アテネの繁華街でも4割ほどの小売店が閉店に追い込まれて、シャッター街のようになっている。

こう言われるとかなり悲惨な印象を受けます。しかし、Wiiのアンケート結果「みんなで投票チャンネル」からはまったく違った印象を受けます。「今年、2泊以上の旅行に行った?」(注意:今年は2011年)という質問に33ヵ国中もっとも多く「行った」と答えたのがギリシャでした。

目視で約8割くらいの人が行ったと答えているように見えます。何ヶ月も給料が支払われず、20%もの失業率、アテネの繁華街の4割が閉店しても旅行には行くのでしょうか。もしかしたらとても旅行好きの国民性なのかも知れません。日本人が温泉やお風呂に入るのと同じ様な感覚で旅行に出かけるのかも。。。また、仕事がないので旅行に出かけるくらいしかすることが無いのかも知れません。それでもやっぱり、「朝7時に出勤して、14時には帰ってしまう」という話を聞くと、普通に旅行を楽しんでいるような想像しか思い浮かびません。


さて、世界一旅行に行く国がギリシャなら、逆に旅行に行かない国はどこでしょう。それは我が国、日本です。

日本は中南米の国々を押しのけて最下位、つまり2泊以上の旅行に行った割合が低い国になってしまいました。日本にはいろいろな観光名所がいっぱいありますし、旅行好きな国民だと思っていたのでこの結果はかなり意外でした。このような結果になった理由の一つは「2泊以上」という条件があるような気がします。日本では休みを取りづらくする社会的圧力が強いので、連泊は難しかったのかも知れません。また、昨年は震災で自粛ムードが広がり、連泊し辛かったのかもしれません。こういうのはギリシャを見習いたくなります。


ギリシャと日本を比べてみると、アリとキリギリスの話が思い浮かびました。勤勉に働き続ける日本人と人生を謳歌するギリシャ人。この寓話の中ではアリが正しいとされていますが、ギリシャと日本の自殺率を比べてみると疑問も感じます。

日本 8位(24.4人/10万人あたり)
ギリシャ 80位(3.5人/10万人あたり)

日本では毎年3万人以上の人が自殺で亡くなっており、比率でならギリシャの約7倍にもなります。今のギリシャは10万人あたり6人に自殺者が急増しているそうですが、それでも日本の1/4です。


やはり何事も極端は良くなく、バランスが大事ということかも知れません。




ちなみに世界全体の結果は

  • 行った:66.4%
  • 行ってない:33.4%

という結果で、男女別では女性の方が若干「行った」割合が高いようです。

  • 男:行った 64.5%、行ってない 35.5%
  • 女:行った 68.5%、行ってない 31.5%

国別の順番は結果、次の通りでした。

1位:ギリシャ
2位:オランダ
3位:イギリス
4位:オーストラリア
5位:フィンランド
6位:アイルランド
7位:オーストリア
8位:ニュージーランド
9位:ドイツ
10位:ノルウェー
11位:スウェーデン
12位:アメリ
13位:カナダ
14位:ベルギー
15位:スイス
16位:コスタリカ
17位:スペイン
18位:デンマーク
19位:ルクセンブルク
20位:エクアドル
21位:イタリア
22位:ブラジル
23位:フランス
24位:コロンビア
25位:ベネズエラ
26位:グアテマラ
27位:アルゼンチン
28位:ポルトガル
29位:ペルー
30位:パナマ
31位:メキシコ
32位:チリ
33位:日本