インターネットは自分の心を写す鏡 ーココロコネクト問題についてー

最近、話題になっているココロコネクト問題で気になったことがあったので書いてみます。なお、ココロコネクト問題の詳しい話は以下のWikiを見てください。


9月2日から関係者による謝罪記事が続々と公開されています。

この宣伝活動に伴うイベントの内容やラジオ番組での発言が、恣意的な改ざん行為により、本来行ったものの意図とは違った形でネット上にアップロードされてしまいました。それにより、多くの方に誤解や混乱を与えております。

今回の騒動では『インターネットの恐ろしさ』というのを身を持って知りました
誇張した情報が広まり それを信じた人が罪もない人に匿名で罵声を浴びせ続ける…
そして誇張した情報に更に尾ひれ背びれをつけ 関係者一同全く身に覚えのない情報まで飛び交い それを信じてまた関係者を叩き 僕をかわいそうだと言う…
本当に恐ろしかったです…
言葉では表現しきれないくらいに…

しかし残念ながら、それらの事象を不特定な人物による誇張や揚げ足取り、そして情報操作によって殊更悪い事象に作り上げられている問題があります。

この数日で、僕はインターネットを扱う事の難しさを改めて痛感しました。
不確定な情報が飛び交い、編集をされた言動が真実のように、
一部分だけを切り取ってそれが全部であるように伝わってしまう。
目で見て感情が伝わらない『文字』だけの情報は、人の思いや、信じる心までねじ曲げてしまう力を持っています。

ですが、今回は間違った情報が広まりそれで沢山の方からバッシングを受けています。
何度も言いますが、ネットの情報が全てではありません。
他人が言ってた事が全てではありません。

今回、この件に関して、ここまで反応が大きくなった事にびっくりしました。
色々とネット上で情報が飛び交い、ツイッターでも個々の意見が自由に書かれているのを見ました。
その原因を作ったのは自分でもありますが、とても悲しい想いでした。


それぞれの方で言い方はバラバラなのですが、共通しているのは「インターネットは怖い、危険、恐ろしい」というメッセージです。風の谷のナウシカ「あなたは何をおびえているの。まるで迷子のキツネリスのように。」というセリフが頭をよぎりました。どちらかと言えば、正確な情報がなくて不安に感じていたのは、このアニメのファン達でしょう。公式動画(ドッキリ部分は1時間6分あたりから)を観て非常識なことが行われているらしいと知った人たちは情報を集めるために、Wikiを作り始めます。断片的な情報を突き合わせて、公式動画で行われたことが事実らしいと分かり、多くの人が苛立ちを感じたんです。人を騙してみんなで笑いものにする行為を、堂々と公式動画として流しているのに何も感じない方がおかしいです。でも中の人でそう思う人は一人もいなかったようですね。そしてなぜ多くの人が怒っているか理解できないから、「インターネット怖い」とつぶやくんでしょうね。



アニメとインターネットの話で思い出したことがあります。らき☆すたらきすた)というアニメの舞台となった鷲宮町が町おこしで成功し、アニメの放送が終わって数年たった今でもアニメファンが訪れたり、イベントが行われているそうです。

鷲宮町の町おこしに対してこれまでにマスコミでもネットでも批判的なものはありましたが、鷲宮町の成功の理由を研究者の方は、次のように語っています。

(成功のポイントは)「商品」ではなく「交流」だったということです。観光振興や町おこしの基本は、実は1対1の人間関係、商店さんなどでの人間関係から発展したのです。そして商工会がそうした交流の核となる機関となり、(鷲宮神社前にある)大酉茶屋が交流の核になる場所となりました。

 キーワードは3つあると思います。1つめは「手作りであった」ということ。2つめはスタッフやファンの方、地域の方など皆さまが「作品のためになるようなことをしよう」と考えながらやられたこと。3つめは「みんなで楽しもう」と思いながらやったことです。こうすることで、『らき☆すた』ファンと鷲宮町が幸せな関係を築けたのです。

「手作りであった」、「作品のためになるようなことをしよう」、「みんなで楽しもう」。地域の人もそこを訪れるファンもらきすたという作品を中心に心を一つに(ココロコネクト)できたからこそ、この町おこしは成功し息の長い活動につながったのだと思います。


では、翻ってココロコネクト問題ですが、そもそもアニメスタッフ側とファンの双方にとって一番大事なのは作品を楽しむことです。今回、そこへいきなり声優陣が「企画」という名目で、人を騙して笑いものにするという不快なパフォーマンスを行なってファンを不快にさせてしまいました。だから、アニメスタッフ(企画を考えた人たち)がそれを謝罪するだけで済む話のはずでした。それなのに、なぜ、ファンを恫喝するようなことを書いてしまうのでしょう。アニメスタッフからすれば、ファンはお客様だし、そうじゃない人もこれからファンになる可能性のある人な訳でしょ。場を盛り上げていかなければならない人たちがファンを恫喝する理由がわかりません。


インターネットの向こうには多くの国のたくさんの人がいて、現代だけでなく未来の人にも言葉を伝えることは可能です。そして、何らかの言葉を発信すれば、必ず何かの形で返事が帰ってきます。不満や怒りをぶつければネガティブな反応が増えるでしょうし、逆に、面白いことや楽しいことをたくさん書けば多くの人が応援してくれるでしょう。情報を隠そう、何かを誤魔化そうとするからインターネットが恐ろしく感じるのではないでしょうか。


声優になることを夢見ている子供はたくさんいるそうです。そんな子供たちの夢を壊すような真似はして欲しくないです。

イベント前、ドッキリ企画は今後どういう風になるのかというお話はスタッフさんから聞いていました。
ただその場でのドッキリというだけでなく、活動が映像特典になるなど
お仕事として成立していると聞いていたので、私達は安心してステージに立ちました。
この時点で私達出演者は全員お仕事です。

人を騙すこと、困らせて笑いものにすることも声優の仕事のうち、みたいな寝言は聞きたくありません。