出世のすすめ


分裂勘違い君劇場 - 無学歴、無職歴、無実力のニートが年収500万円の正社員になる方法


ニートネタに見せかけた「出世のすすめ」であり、良記事です。
別の言い方をすれば、エリートになりたければ、ここに書いてある通りにすれば、なれるという内容です。
ただし、できるんならね、という条件付きですが。
これができれば、年収500万円の正社員というタイトルですが、年収1000万でも少ない気がします。
ポイントは、仕事で必要とされる能力が一般的に学歴とは直接関係ないということなのでしょう。
自分も会社に入社したときは、今までの学校での勉強は勉強の仕方を学んだと思えと言われました。
全くその通りだと思います。
記事の内容は、これか会社で働く学生やニートはもとより、実際に会社で働いている人にとっても良い啓蒙となると思います。
何だか初心に帰る気がします。

宮崎駿監督の場合

出発点―1979~1996
出発点―1979~1996
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宮崎 駿
スタジオジブリ (1996/08)
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この記事を読んで、昔読んだ、宮崎駿監督の自伝を思い出しました。
宮崎監督も、自分が若いときは、無償で他の人の仕事を引き受けて、信頼と実績を作っていったことをアニメーション現場の具体例をあげて詳しく書いてありました。
(本は古本やに売ってしまったので、内容の確認ができません。)

内田樹氏の記事

内田樹の研究室−即戦力といわれても

「即戦力」のみなさんはみんなどこかへ消えてしまっていた。
会社が見切りをつけられたのか、会社に見切りをつけられたのか、どちらであるかはわからない。
だが、限定的なプロジェクトのためにアドホックに採用された「即戦力」の多くがその後「はなはだ使い勝手が悪い」社員になったことは間違いない。
「私はこんな仕事のために雇われたんじゃありません!」というようなことを彼らは口を尖らしてよく言っていた。
だけど会社というのはジョブ・デスクリプションにはない「こんな仕事」や「あんな仕事」がどんどん発生してくる現場である。
「即戦力」のみなさんは「自分に相応しくクリエイティヴな仕事」だけをやりたがり、「雪かき仕事」を厭がった。
でも、会社の仕事の90%は「雪かき仕事」である。
誰もやりたがらないけれど、誰かがやらないとみんなが困るタイプの仕事。
そういう仕事がいつのまにか片づいている職場と、業務命令してもみんなが厭がっていつまでも片づかない職場では、短期的にパフォーマンスの差がはっきり現れる。
資格や能力があって、それを「売り」にしている人間はたいてい「雪かき」をしてくれない。


上記の例では、学校で学んだ専門的な知識や能力を活用する場面は10%程度しかないと言っています。
そうであるなら、10%の仕事しかしない人間と90%の「雪かき仕事」を積極的にこなす人間とどちらが会社にとって重宝されるかは明らかでしょう。
「雪かき仕事」を積極的にこなす人間は、経験を積めば、やがて残りの10%の仕事もこなせるようになるでしょうが、「雪かき仕事」をやらない人間はいつまでたっても90%の仕事はやらないでしょう。

仕事のダンピングが通用するのは日本だけ?

何年か前にTVで放映していた、中国から日本に留学してきた女の子のドキュメンタリーを思い出しました。
日本の小学校に留学してきて、初登校で日本語が話せず泣き出してしまうのですが、その後日本語を勉強して校内の漢字テストで2番(確か2番だったと思う。)になります。
しかし、また、中国に帰ってしまうという内容でした。
ただ、この女の子が凡人とはほど遠い存在で、小学校の校長先生か教頭先生がインタビューで女の子のことを「利発」と言っていましたが、将にそんな感じの子供でした。
初登校で泣き出して時も、誰かに助けて欲しくて泣いたのではなく、勉強してきた日本語がほとんど使えないこと、すぐにはそれを克服できないことを実感し、それが悔しくて泣いているように見えました。
結局、1年後には周りの同級生よりも日本語がうまくなっているように見えました。


最後に中国に帰って、もとの同級生との対面のシーンがあるのですが、そこでのやりとりが新鮮でよく覚えています。
中国の学校では、勉強のできる子供が「幹部」と呼ばれて学級内のことを取り仕切るそうです。(日本人には想像できませんが。)
ある男の子が、日本から戻ってきた女の子に、「日本では幹部になれた?」と質問しました。
それに対して女の子は、「日本では、手を挙げれば誰でも幹部になれる。」と答えたのです。


それを聞いて、私は日本は実は平等な社会であることと、外国は実は思っている以上に階級社会なのかなと思いました。
海外生活が全くないので、実際のところは分からないのですが。
例えば、英語にもなったトヨタの「Kaizen」(改善)は、実際の現場からの意見を尊重する土壌がないと生まれない考え方です。
また、日本では役職が上がっても平社員と同じフロアに机がありますが、海外では役職が上がると個室に移るのが一般的という話も聞いたことがあります。
それらから、日本は「仕事のダンピング」をしやすい環境なのかもしれないと思ったのです。
ただ、海外でも日本と同じように「仕事のダンピング」が使えるかどうかは、よく分かりません。