お金(貨幣)

きっかけ

今日、録画しておいた「カンブリア神殿」を観たらはてな近藤社長の言った言葉が「今夜の一言」として取り上げられていた。

テレビブログ−カンブリア宮殿
「お金はご飯みたいなもので無かったら死ぬけど、食べられないほどあっても仕方がない」
<追記:2006.05.14:以下>
YouTube - カンブリア宮殿 はてな&mixi その1
YouTube - カンブリア宮殿 はてな&mixi その2
YouTube - カンブリア宮殿 はてな&mixi その3
YouTube - カンブリア宮殿 はてな&mixi その4
いつのまにかYouTubeに番組がアップされていたようです。
(画質は悪いけどCMが無い分、見やすいかも。)
<追記:2006.05.14:以上>


こんなことを言ったら、「ずいぶん欲が無い人なんだな。」と思われると思ったが、ここで、「お金って何だろう?」と考えてしまった。
この時は深く考えなかったが、哲学で言う「私は誰?」に匹敵する解けない疑問だったらしい。

いろいろ調べてみる

Wikipedia−貨幣

貨幣(かへい)とは、「価値の尺度」「交換の媒介」「価値の保存」の機能を持ったモノである。本来貨幣とは本位貨幣(本位金、銀貨)を指す言葉であったが、現在では狭義には、補助貨幣としての硬貨を指し、広義には紙幣及び銀行券を含む通貨(=お金)の意味がある。

MSエンカルタも上記と同様で、「貨幣とは何か?」ではなく、貨幣の機能を説明して、説明したことにしている。

貨幣論
貨幣論
posted with amazlet on 06.05.13
岩井 克人
筑摩書房 (1998/03)
売り上げランキング: 9,541

レビュー

内容(「BOOK」データベースより)
資本主義の逆説とは貨幣のなかにある!『資本論』を丹念に読み解き、その価値形態論を徹底化することによって貨幣の本質を抉り出して、「貨幣とは何か」という命題に最終解答を与えようとする。貨幣商品説と貨幣法制説の対立を止揚し、貨幣の謎をめぐってたたかわされてきた悠久千年の争いに明快な決着をつける。

この本がお金の話で有名らしくいくつか検索した複数のサイトで参照・引用していたが、「お金って何だろう?」という疑問は悠久千年の大問題であったらしいことが分かりました。
この本を買えば、悠久千年の「最終解答」が得られるのであれば、安いものかとも思いますが、「与えようとする。」という言い回しがどうも引っかかり、購入は控えることにしました。


その他、以下の様なサイトも見つかりましたが、どうも納得できる解答ではありませんでした。

電脳経済学v3> f用語集> ka7 貨幣 (money) (→通貨:currency)

〈1〉機能:①一般的交換手段(計算手段、支払手段、流通手段)、②価値尺度、③価値貯蔵手段 
〈2〉要件:①識別性、②可分性、③同質性、④可搬性、⑤耐久性
〈3〉社会制度:社会構成員相互間における一般的請求権の制度化された表示形態
〈4〉形成過程:商品価値の一般的等価物としての表現形態 (マルクス)
〈5〉社会関係:社会秩序を形成する媒介形式 (ジンメル
〈6〉存立構造:無限の循環を前提とする価値形態 (岩井)
〈7〉本質:商品情報の担体 (電脳経済学)

上記に書かれていることはその通りで間違いは無いのですが、納得できる答えが見つかりません。

仕方ないので考えてみる

たとえば、人にモノを売ることを考えてみる。
モノを買った人はお金を失いモノを手に入れる。
モノを売った人はモノを失いお金を手に入れる。

物質的にはお金は「お金である」ことを示す証明書にすぎないので、見方によってはモノを買った人はモノを手に入れ、モノを売った人はモノを失っただけとも考えられる。
お金が持つ意味は、物の所有権を変更する場合に失われるモノの価値を担保する為である。
つまり、モノを売った人はモノを失った穴埋めにお金を受け取って、代わりのモノを買うまで、維持するのである。
こうすることで、見かけ上、自分の所有物を維持することができる。
ただ、人が生きていくということは消費することなので、時間と共に所有物は減っていく。
そのため人は所有物を維持、または増やすために労働しなければならない。
つまり、個人にとって、お金は所有物の価値を維持するための代用品となる。


では、個人ではなく、社会全体にとってはどうだろう。
社会にとって重要なのは、社会が維持されることであり、社会システムが問題なく運用されることである。
社会システムが問題なく運用されるためには、各個人がそれぞれ与えられた業務をまっとうする必要があり、報酬として適切に貨幣が分配されなければならない。
この「適切な貨幣の分配」がうまく機能しないと社会システムが維持できなくなるため、「ルール変更」が行われる。
例えば、「市民革命」や「社会主義体制の崩壊」がそうである。
社会全体としては、適切に業務が行われ、適切に富が分配されるのであれば、お金があっても無くても関係ないのだと思う。
ただ、お金という制度/仕組みを使うことで、効率良く業務と富を分配できることから、これまで数千年の間、この仕組みが使われてきたのだと思う。
ただ、貧富の格差が広がることによって、労働も富の割り当てられない人や、労働せずとも貯蓄によってのみで生活できる人が増えるとやはり社会システムとしては破綻するので、これから問題になっていくのかもしれない。

案外、次の様な案が必要になるのかもしれない。

中立貨幣

結局

近藤社長の「お金はご飯みたいなもので無かったら死ぬけど、食べられないほどあっても仕方がない」という言葉は直感で言われたのだと思うが、非常にバランスの取れた見解だと思う。
使い切れないほどのお金は、結局これまでの自分の生活スタイルを変更することになるだろうし、また、周りにどんな影響を与えるか分からない。