ニートの成立条件

太田総理のマニフェスト:「ニート対策を一切禁止します」

ニートについていろいろ書きますが、ここでの定義は働く意思のない人のことを言っています。当然、フリーターや失業者は含まれませんし、病気や怪我で働くことのできない人は含まれません。病気には精神的な物も含まれます。(以前、会社のセミナーで「健康な人でも結婚式のスピーチで心拍数が上がったり汗をかいたりしますが、意思の力では止めることができません。精神病も同じように本人の意思ではどうすることもできないのです。」という説明を聞いて、妙に納得したことがある。)


テレビ局にニート問題を解決しようという意図はなく、ただ視聴率が欲しいだけなので、当然、解決策を期待する方が間違っていると思う。番組でニートを出演させているが、ニート本人に何言っても無駄なのは明らかなのだから、説得しようという試みは意味がない。番組としては盛り上がればよいのだろうけど。
もし、本当にニートをなくそうと思うのであれば、親を説得・教育するしかない。当たり前の話だが、ニートの成立条件に親の支援は不可欠だからだ。テレビのニート特集ではほとんどニートの両親は登場しない。一番の元凶と言っても過言ではないのにおかしな話だと思う。


カジテツ姫?

スタメンの特集で「カジテツ姫」をやっていました。「家事手伝い」といいながら、実際には親のすねをかじって優雅に暮らす「お嬢様」達です。まあ、番組見る限りそれほど裕福そうな家庭には見えなかったのですが、「カジテツ姫」に限れば裕福そうですね。なお、VTR中ではニートの「二」の字も出なかったのですが、番組出演者が「これってニートでしょ?」みたいなことを言ったら、番組の人が「違います。」と断言してました。「どこがどう違うのか説明しろ」と言いたい。こういうのは、女性差別とは言わないのだろうか。言わないんでしょうね。


ニートの話を聞く度にイブン=ハルドゥーンの著書「歴史序説」を思い出す。

「田舎や砂漠」(بدو badw)の集団は質実剛健で団結力が強く、「都市」(حضر ḥaḍar)の住人を服属させて王朝を建てる。だが代替わりが重なると、建国の祖たちが持っていた質素で武勇を尊ぶ気風が次第に失われ、華美な生活に流されて王族同士の団結力が弱まり、かつて服属させた都市の住人のようになる。そうやって支配力が低下していくうちに、田舎や砂漠から来た別の集団につけ込まれ、実権を奪われたり王朝が滅ぼされたりしてしまう。その集団によって新たな王朝が誕生するわけだが、その王朝の王族も同じ道をたどり、また次の団結力を持った質実剛健な集団に取って代わられてしまうと言う。

日本が外国に占領されるとは思わないが、外国人労働者が増えていくのだと思う。日本で働きたい外国人は多いだろうし、その労働力を必要とする企業も多いだろうから。カジテツ姫カジテツ王子の居場所は彼らの夢の中だけしかないのだろう。

参考

歴史序説 (1) (岩波文庫)

歴史序説 (1) (岩波文庫)

歴史序説 (2) (岩波文庫)

歴史序説 (2) (岩波文庫)

歴史序説〈3〉 (岩波文庫)

歴史序説〈3〉 (岩波文庫)

歴史序説〈4〉 (岩波文庫)

歴史序説〈4〉 (岩波文庫)

14世紀の最先端科学や魔術についての所見なども書かれていて、とても面白かったです。