中国によるウイグル人弾圧

木村剛さん経由で以下の記事を知り、また木村剛さん同様に「そのような事実があることを多くの人々が知るチャンスを増やすこと」しかできないので、記事を引用します。一人でも多くの人にこの事実を知って欲しいと思います。

6月26日 ウォールストリートジャーナルアジア版 ウイグル人権プロジェクト ラビヤ・カーディル

それは、私の人生の中で最も苦しみを負わせる瞬間だった。6年にわたる中国で、でっち上げられた容疑で監獄に入れられていたときよりも苦しい瞬間だった。私は私の娘がウイグルのある道路の端で、私の息子の1人が制服を着た殺し屋に半殺しにされるまで殴りつけられるのを見て携帯電話越しに叫ぶ声がだんだん小さくなっていくのをどうすることも出来なく聞いていた。

数秒後、電話線は切られ私が私の同胞たちの苦境を告発する為に払った代価の大きさを思い知らされることになった。私の同胞は1949年以来共産主義中国の支配に苦しむトルコ系民族の1000万人のウイグル人である。その代価は私が1999年に私の故郷、中国の西北部、新疆ウイグル自治区の首都ウルムチアメリカ合衆国の議会代表団に会う途中に逮捕されたときからはじまった。新聞の切り抜きをアメリカにいる夫に送ろうとしたことが、「国家機密漏洩」の罪にあたるとされたのである。「国家機密漏洩」は中国ではほとんど全てのことを包み込むことために使われることができる、広い範囲の意義がある言葉である。

もしも、ブッシュ政権ではなかったら今日私はいまだ監獄の中にいるであろう。この「犯罪」に対しての8年の懲役刑をつとめながら。ワシントンは私の早期解放のために大きな政治的圧力をかけてくれた。2005年の3月にそれは実を結んだ。合衆国国務省コンドリーザ・ライス長官が中国を訪問する数日前、私は北京でアメリカ政府職員に引き渡され、合衆国に亡命した。

しかし、私はそのときからでも完全に自由ではなかった。北京を離れる前、中国政府職員は私に、もしウイグル人の苦境について声を上げれば、私の子供たちと事業は「終りになる」と警告した。不安があったにもかかわらず、私はそれらの警告を無視した。私は国際的な圧力が持続しなければ、私の解放が勝ち取られなかったであろうということを分かっていた。そして今私は自由に話すことができた。私は多くの監獄内にいまだいる人々の解放を確実にするために同じ圧力をかける義務があると感じた。

私はアメリカ議会を前に証言し、ウイグル人が苦しんでいる抑圧について人権団体に話した。私は中国政府が言う家族を養うには貧困すぎるという理由で、いかにウイグル人の女性が不妊化され、堕胎を強制させられているかを彼らに伝えた。私はどういうふうにモスクが閉鎖され、イマームたちが監獄に入れられ、親が子供たちに宗教を教えることが禁じられているかを伝えた。人権団体は何千人ものウイグル政治犯がおり、そして新疆は政治犯に対して処刑がいまだに行われているただ一つの地域であるという疑わしい特徴をもっていると推定してくれた。

つい最近、中国が私の家族に対して報復するという約束をたがえなかったときに、代価を払うことになった。アメリカ議会代表団が彼らのウルムチ訪問の間に私の家族に面会したいと要望した。5月29日中国当局ウルムチに住む私の3人の成人した子供たちにそのような招待は断るように警告した。

三日後、公安は面会を防ぐ為によりドラスティックな段階を取った。3人の息子たちはウルムチ郊外に車で送られた。道路わきにそのバンが停車し、息子のうちの2人が公安に滅茶苦茶に殴打された。さらに私をおびえさせる為に殴打をおこなった公安の1人が私の娘ルシャングルに携帯を渡した。そして私に電話をかけさせ、彼らが絶叫するのを私に聞こえさせるようにしたのである。私の息子の1人アブリキムはあまりにひどく殴られたので意識を失い拘置所に行く前に入院しなくてはならなかった。

6月13日アブリキムと殴打されたもう一人の息子アリムは「国家分裂計画」の罪を着せられた。これらの容疑の理由は明らかにさせられていない。しかし中国当局は私を新聞の切り抜きを郵送しようとしていただけで8年監獄に入れることができるのだから、そのような息子たちへの口実を見つけるのは難しいことではない、たとえば電話で私と話しただけで。

3人目の息子、カハール 42歳に公安はまた脱税の容疑を負わせた。これは北京が政治的な敵を標的とすることに付随的な方法として明白に非政治的な攻撃を使うという常套戦略に準じている。私の息子たちの容疑の「捜査」の一部分として中国当局は私の家族の会社の全ての財務記録を没収した。このことは中国当局の二つ目の脅しになっている。すなわち、私が敢えてウイグルの状況を広言すれば、私の事業に報復するということである。このことは私の息子たちがその容疑に反論の準備をすることがほとんど不可能になるということである。

中国はアメリカ議会代表の訪問をアメリカと国際社会が中国の人権侵害へ懸念していることに対して侮蔑の態度を表すことのために利用することを選んだ。中国の振る舞いを見れば、人権状況を改善し、民主的改革に従事させるのは無駄であるというのは明らかである。ブッシュ政権は私の息子たちの変わりに疲れることなく北京へのロビー活動をしていただいている。しかし彼らの努力は無視されている。

1人の母親として、私は息子たちの運命について苦しんでいる。なぜなら「国家分裂計画」罪は死刑をもたらすからである。過去に多くのウイグル人を処刑するためにこの罪は使われてきた。私の最大の恐怖は世界が大きな声で、私の代わりに公言しなかったらアブリキムとアリムは同じ運命に苦しむであろうということである。彼らを弁護するどんな実質的な機会を拒否される裁判の後で。

北京は人権状況の改善を努力していると主張している。最近、ジュネーブで新しい国連人権委員会の開会集会で、中国の副首相は演説で中国は「全ての人権を促進することを続ける」と言った。しかし私の、そして私たちの子供たちの経験ではそのような改善状況は全くない。

また、英語の原文は以下です。

なぜ、日本のメディアはこういうニュースを流さないのでしょうか?
またなぜ日本の政府は中国に対し何も言わない無いのでしょうか?(いつも言われっぱなしですね。)

アメリカとの関係」と「中国との関係」これからの日本にとって重要なのは、どちらだと思いますか?"
アメリカとの関係が重要。中国との関係は悪化しても仕方がない
アメリカとの関係が重要だが、中国との関係悪化は避けるべきである
・どちらでもない・わからない
・中国との関係が重要だが、アメリカとの関係悪化は避けるべきである
・中国との関係が重要。アメリカとの関係は悪化しても仕方がない

NHKが「アジアの中の日本」という番組を作るに当たりアンケートを募集中だそうで、その設問の中の一つが上記です。他の設問も見れば分かりますが、NHKの中のアジアというのは中国と韓国と日本だけしかないと考えているようにしか見えないのでとても不安です。それでも、もし本当に「アジアの中の日本」を考えるのであれば、上記の記事もふまえた内容にして欲しいと思います。