海洋深層水は無限なのか?
今日のワールドビジネスサテライト(WBS)の特集は沖縄(久米島)での海洋深層水に対する取り組みでした。
- 海洋深層水は無限の可能性を秘めているそうで、飲料水、プール、海産物の養殖と応用範囲はとても広い。
- 研究所と工場を直接パイプで接続することが増えている。
- 海洋深層水の卸価格は、飲用の場合:400円/トン、養殖等:6円/トン。
- コメンテータの人は、日本は周りを海に囲まれているのになぜもっと早くやらなかったのか、とコメントしてた。
こういう内容を見せられて、「海洋深層水って無限なの?」と素朴な疑問が沸いてきた。
過去、人類は資源は無限もしくは地球の許容量は無限にあると錯覚し、多くの過ちを繰り返してきたのだから、新しい資源が見つかったのなら当然考えるべきことだと思う。人の無知が犯してきた過ちとしては、X線(最初はガンになると思っていなかったのでライトのように使っていたらしい)、フロンガスによるオゾン層破壊(冷蔵庫が有名だが、全体量としては工業用の洗浄剤としての用途が圧倒的に多かったらしい)、二酸化炭素、ヨーロッパの森林。いずれも当初は害があるとか、失われるとは思っていなかったものばかりだった。
それで、海洋深層水はどうなのかと「海洋深層水」+「環境破壊」で検索してみると、ほとんど情報がない。余りこういうことは考えないのだろうか。
よく「ミネラルたっぷり」とか「数百年かかって・・」とか謳い文句にしていますが、そのようなものをじゃんじゃん汲み上げて深海の環境は崩れないのでしょうか?
という質問に対し、5件の回答が寄せられているが、1件を除き、心配ない/心配しすぎという回答だった。曰く、
- 存在している量そのものも膨大なものですからそのような杞憂は不要
- この手の非科学的でヒステリックな質問は、よそのサイトにしてください。
- 実態は解明されていませんが、たかが1Lボトル×1000本=1トン、10000本で10トン、しかも単に採水するだけなら、問題が起こることを心配するほうが無理
- 本件は「杞憂」であろうと考えます。
質問者は「海洋深層水を無限に取り続けても、問題はないのか?」と質問を投げているのに、何の根拠もなく「膨大な量があるから心配は杞憂」と言われても答えになるわけがない。逆になぜそんな風に考えて納得できるのか疑問に思えてしまう。
海洋深層水を海に面している各国が競争して取り合ったとしても、そう簡単に海洋深層水が無くなるとは確かに思えないが、果たして10%、20%減少した時にどんな影響がでるのか想像も付かない。
司会 海洋深層水は地球全体に広がるグローバルな資源であり,地球温暖化や南北問題の解決の糸口となることも予想されます。こうした大きな可能性を秘めた深層水を有効に利用していくためには当然更なる研究が必要です。また環境破壊や資源の枯渇をもたらさないためにも,十分な倫理観を備えた利用を心がけていくことが今後の私たちの課題となるでしょう。
科学の専門誌のシンポジウムでさえ、「十分な倫理観を備えた利用を心がけて」のようなおざなりな言葉で締めくくってしまっている。科学者に準ずる者なら数値やデータで、危険性を提示して欲しい。
61名ぶんの請願書を本日(2月20日)送りました。
ご協力ありがとうございます。
すでに2001年頃に更新の止まったサイトのようですが、環境大臣宛に請願書を出されていたようです。その熱意は感心してしまうのですが、「深層水の取水は、地球全体の自然破壊の可能性が高いのです。」と何の根拠もなく言われても説得力がない気がします。
○○までなら取水しても問題ない、もしくは△△以上取水すると□□の危険があるというような情報はないのでしょうか。