ブロガー×オーマイのシンポジウム

ブロガーとオーマイニュース編集長 鳥越さんとのシンポジウムが開催され、その記事が早速オーマイニュースに掲載されました。1時間おき程度に内容が更新されているようです。

OhmyNews:ブロガー×オーマイニュース

ちょっと、気になったのですが、オーマイニュースは原則実名で掲載するはずなのにこの記事に限っては「OhmyNews」とだけ書かれています。こんな匿名記事で客観的で責任のある記事が書けるのでしょうか。

鳥越編集長は「ブロガーの間でも、こんなに意見が分かれるのかと驚いた。たしかにブログは、バラエティに富んでいてひと言では言えないなあ」と感嘆を漏らし、市民記者への期待をこう述べた。

また、鳥越編集長はブログを書く人や2ちゃんねるを何か一つの組織のように考えているらしい。これらの誰もが自由に意見を書き込める開かれたメディアというものを全く理解できていないから、変に偏った人物像ができあがってしまうんだと思う。こういうのを一般的に偏見というのだと思うが、気づいていないのだろうか。

現実に僕は2ちゃんねる全体を見たことはないので、全体について言うことはできないわけですよ。僕は一部の書き込みを見ていて、現実にこれはひどいと思った。
(中略)
女子アナのスレッドを見たんですが、ひどいもんだ。ほんとに。ここまで書くかと。これはもう、ごみ溜め以外のなにものでもない。人間の感情のごみを溜めるところだと。

これは、鳥越編集長のコメントですが、2ちゃんねるに酷い書き込みがあったということは、そういうことを書き込む人間がいるというだけで、2ちゃんねる自体が酷いわけではない訳です。残念ながら鳥越編集長にはこの点の区別がついていないのだと思う。「Winny」を開発した金子勇氏が逮捕されたのも同じ様な偏見のためのような気がする。

また、更新されたら追記する予定です。

<9月2日 23:15>

たぶん、22時頃、記事が更新されたようです。そこから一部を引用。

 「オーマイニュースにおける記事はファクトとオピニオンの間のようなものが多い。記事の概念として、ファクトと意見どちらに特化した記事にするか、それぞれを分けるほうが良いのではないか」との意見もあった。これに対して磯野さんは「ファクトとオピニオンが混合したものというのをオーマイニュースには期待している。コラムでもストレートニュースでもないものを」と語った。

(強調は引用者)
私は前からオーマイニュースは「事実」と「感想」の区別が曖昧でよくないと思っていたので最初の意見にはとても賛成なのですが、ここで毎日新聞東京本社編集局勤務の磯野さんが反論されています。この磯野さんはブログを書いているのでブロガー代表と言うことになるのでしょうか。この「ファクトとオピニオンが混合したもの」って何でしょうか。事実とそれに対する見解を述べるならいいのですが、事実なのか感想なのか分からないものが記事になって混乱しているのが現状なのではないでしょうか。それにしても、この点についてオーマイニュース側の見解はないのでしょうか。鳥越編集長は退席されましたが、平野日出木編集次長、中台達也記者は在席されているはずなのですが。

 このほか、ブログとオーマイニュースの連携の問題、市民記者の男女格差の問題、市民記者登録の方法に関する問題、記事内容の軽重、オーマイニュースの立ち位置の問題、朝鮮半島問題をどう報じるか…等々、オーマイニュースの本質や未来に関する意見や質問が続出。予定時間を過ぎようとしても討論は続き、質問者は後を絶たない。会場の関係で4時すぎに閉会となったが、それぞれが場所を移して議論を続けたようで、オーマイニュースにとっては意義深い一日となった

(強調は引用者)
オーマイニュースにとっては意義深い一日となった」の一文でこのシンポジウムは終わってしまうのではないですよね。私はこれが始まりであり、これからどう変われるかがオーマイニュースにとっての正念場だと思います。「ブログとオーマイニュースの連携の問題、市民記者の男女格差の問題、市民記者登録の方法に関する問題、記事内容の軽重、オーマイニュースの立ち位置の問題、朝鮮半島問題をどう報じるか…等々」これらの問題も放置したりしないことを願っています。

<9月3日 10:00>

ニューシングというサイト経由でコメントを頂いたようですので、そのことについて。
newsing(ニューシング) - うつせみ日記 - ブロガー×オーマイのシンポジウム

Comment by 太郎と次郎 2006/09/03

おいおい。たとえ素人でもこれはひどいな。2ちゃんねる自体が酷いなんて鳥越は言っていないじゃないか。

Comment by 小野寺 伸 2006/09/03

マスメディア云々を論じる前に、ネット社会が岡田有花氏のような一部の人間の偏向報道に大きく左右されているということを問題視してよいのではないでしょうか。

まず、鳥越編集長に対する批判の多かった「ゴミため」発言の記事は以下です。(インタビュアーは岡田有花さんです。)

ITmedia News:ブログでも2chでもない「市民新聞」とは――オーマイニュース鳥越編集長に聞く

――2ちゃんねる2ch)やブログなど、発言の場はたくさんあるが。

 2chはどちらかというと、ネガティブ情報の方が多い。人間の負の部分のはけ口だから、ゴミためとしてあっても仕方ない。オーマイニュースはゴミためでは困る。日本の社会を良くしたい。日本を変えるための1つの場にしたいという気持ちがある。

この発言が「2ちゃんねる=ゴミため」だとして、多くの批判が寄せられました。これに対して今回鳥越編集長は、以下のように説明しました。

自身の2ちゃんねるに対する発言について聞かれた鳥越編集長は
 「ごみ溜めと言われれば不愉快に思うでしょう。僕は、実はインタビューのとき、たしか『一部の』と言ったつもりなんだけどね、(記事では)2ちゃんねる全体が全部ごみ溜めみたいになって」
 と経緯を語り、真意を説明した。

つまり、「2ちゃんねるの一部=ゴミため」であって2ちゃんねる全体のことは言っていないというわけです。なお、記事を読んで貰えば分かるとおり、「2chはどちらかというと、ネガティブ情報の方が多い。」となっており、これが鳥越編集長の言う『一部の』に相当するのだと思う。岡田さんは偏向報道をしたのではないと思います。実際にどういう発言をしたのかは結局録音した音声でも聞かない限り、分からないと思う。
また、鳥越編集長はこの説明の中でも、2ちゃんねる全体のことはどう思っているかは答えていません。もともとの岡田さんの質問の意図は、すでにネットには市民が自由に発言できる場として2ちゃんねるやブログなどのメディアがあるが、オーマイニュースはどういう位置づけなのかの質問でした。
それに対して、敢えて2ちゃんねるの負の部分に言及し「ゴミため」と言っています。そして、オーマイニュースは「ゴミため」では困ると続きます。これを読む限り鳥越編集長は2ちゃんねるを「ゴミため」+α程度にしか認識していないと思いました。2ちゃんねるの負の部分に言及するなら、正の部分も言及するべきです。たとえば、「2ちゃんねるには○○のような良い部分もあるが××のような事実無根の書き込みも多い。オーマイニュースは・・・」のような感じで。こう書かなかったのは、鳥越編集長が2ちゃんねるの正の部分を理解していなかったのだと思いました。

今朝になって、今回のシンポジウム参加者の方の良いブログがエントリーされていますので、是非オーマイニュースの記事とあわせて読んで欲しいと思います。

BigBang: 「ブロガー�オーマイニュース『市民メディアの可能性』」レポート(1)

私は、このエントリーの中の

鳥越氏
「僕はJanJanライブドアニュースも見たことが無いのでわかりません。(会場凍る)」「引退しろと言うならいつでもします。僕は癌で、医者も家族もみんな反対した。でも新しいことには好奇心がうずくし、とりあえず鳥越の名前なら相手も会ってくれる。立ち上げの広告塔のようなつもりで引き受けた。しがみつく気はない」

この部分の発言に驚くと同時に、やっぱりかと思いました。2ちゃんねるについても同じ様なものかなとも、思います。そして、ある意味、開き直りとも取れるような発言。「しがみつく気はない」そうだが、本当に辞めたときこれまで、鳥越編集長を信じてついてきたスタッフはどう思うのか考えているか、疑問に思います。
上記で偏向報道の話をしましたが、おそらくこの部分の説明をオーマイニュースでは次の様に記載しています。

その鳥越編集長に次のひと言が会場から飛んだ。
 「ネットに弱い鳥越さんは、思い切って若い者にまかせてはいかがですか」

 会場から湧き上がる笑いに鳥越編集長は苦笑しながらも、
 「みんなが引退したほうがいいというならば、しがみついている必要はないですから。でも、新しいことへの好奇心がある。やってみて面白かった。今日もこんなに人が集まって、やっぱりこれがインターネットの面白さだなあと。ですから、なかなか簡単には引退できないねえ」
 と宣言した。

これも一つの偏向報道だと私は思います。もちろんブロガーの方のエントリーの中が正しい保証はありませんが、それは「不特定多数」という条件が担保になると考えています。また、冒頭でも書きましたが、オーマイニュースの今回の記事は、実名では掲載されていません。私は基本的に実名/匿名に拘りませんが、記事の発行者がそれをなんの説明も無しに使い分けるのは、そこに理解できない意図があると思えるため、不快に感じます。

なお、このエントリーでは鳥越編集長を批判してばかりですが、テレビでは鳥越編集長の番組を結構好んでみていますし、報道番組には良いものが多いとも思います。また、オーマイニュースが始まる前は、こちらの記事にある通り、実はかなり期待していました。ただ、期待していた分だけショックも大きいです。

また、ブログを書いていて、まだまだ、自分の考えが甘いこと、人に説明するのは難しいことなどを改めて思いました。子供の時から作文は苦手だったのですが、そういうのは大人になっても苦手なままなのででしょうか。少しでも良くなることを期待してブログは続けたいと思います。こんな読みづらい駄文でも、読んでくれる人がいると思うと、励みにもなります。