人間の進化とは

アラン・ケイ氏インタビュー -コンピュータは人間を進化させるか -後藤貴子の米国ハイテク事情-

どうもこのアラン・ケイ氏が言いたいことがよくわからない。ただ、タイトルの「人間の進化」という言葉が気になった。科学技術が発達して、今までできなかったことができるようなることが、「人間の進化」なのだろうか。

現代人、ホモ・サピエンスが誕生したのは今から20万年〜10万年くらい昔らしい。その頃から今まで果たして人類は進化してきたのだろうか。
調べたことはないので詳しくは分からないが、肉体的にはそれほど大きくは変わらないのだと思う。(同じホモ・サピエンスな訳だし。)では、何が違うのかと考えるとIT(情報技術)だと思う。

過去、人類は大きなIT革命を起こしてきた。

1つ目は、言語の発明。これにより人と人とが高密度の情報を交換することができるようになったし、「知恵」を世代から世代へと伝えることができるようになった。

2つ目は、文字の発明。文字の発明によって人は外部記憶装置を手に入れた。従来、記憶に頼っていた知識を人以外の媒体に保存して、時間を超えて後世に伝えることができるようになった。

3つ目は、印刷術の発明。従来、手書きで書かれていた書物は貴重品であり、極限られた人しか読むことができなかったし、それは知識の独占を意味していた。印刷術は庶民でも手に入れられる安価な書物を提供し、すなわち多くの人の知識レベルを向上させた。


そして、現代、次のIT革命を向かえている。

今でも人は多くの情報を手に入れられる。テレビは情報を垂れ流しているし、本屋に行けば何百、何千という本や雑誌を買うことができる。しかし、それらの情報は人類全体から見れば極々一部の人が書いた情報に過ぎない。10人の人がいれば、10人の価値観や考え方があるはずだ。
過去、人類は知識を担い発展させる人の数を増やすことで、社会を発展させてきたのだから、現在主に情報の受け手に回っている大多数の人達が、情報の発信者になることは、「人類の進化」にとって自然なことのように思える。

Life is beautiful: 21世紀のルネッサンス、今までになく人類の創作意欲を刺激するCGMサービス

こういう社会全体に影響するような変化が起きたとき、現行の社会制度がそのまま維持されるとは考えづらい。印刷術の発明が産業革命を引き起こしたように、今回のIT革命(インターネット革命?)も社会そのものを変革するに違いない。

インターネット以前は自分の身近なコミュニティー(家族、学校、地域、会社など)に、コミュニケーションが限定されていた。それが、今や、文字通り世界中に情報を発信し、受け取ることができる。そのことの価値を感じているからこそ、何か利益が有るわけでもないのに、みんな、ブログを書いているのだろう。
Googleもその価値を知っているからこそ、個人の情報発信を促進するためにGoogle EarthやSkechUpの様なサービスを解放している様に思える。

その先は、地球規模でのブレインストーミングが始まるのかなと思ってみたりする。