ソフトウェア企業が無くなる日

ふと思ったのだが、そのうちソフトウェア企業は一つ残らず無くなるのかも知れない。
従来の典型的なコンピューターはモニターとキーボードとマウスが備わっていて、ワープロ表計算や絵を描いたり、作曲したり、ゲームができたりしていたが、これからはそれぞれ専用のデバイスに分かれて特化していくのではないだろうか。


Nintendo DSは従来の携帯ゲームとは一線を画するインターフェイスとなったため、当然、その特徴を生かしたソフトウェア(ゲームソフト)がリリースされている。
昔のゲームセンターは画一的なテーブル型しか無かったが今はカードゲームなどもあり、それこそ多種多様となっている。
ゲーム業界大手だったコナミは、いつの間にかスポーツジムを経営していて、ゲームソフトの開発技術を流用して成功しているように見える。さらにスポーツジムの経験から福祉機器にまで手を広げているようだ。
ゲームソフト会社のいくつかはオンラインゲームに期待しているがこれは売り切り型のビジネスではなく月額料金を徴収するサービス業への転換とも取れる。ゲームというソフトウェアを売るのではなく、エンターテイメントを提供してそのサービス料金を受け取るというビジネスモデルの転換である。


従来型のゲーム市場が伸び悩んでいるのにも関わらず開発コストだけは増え続けていることにゲーム会社各社もかなり危機感を感じているのだろう。当たり前の反応だと思う。子供が一人で部屋にこもって、十時キーとボタンを使ってピコピコやるようなゲームはもう主流にはなれないに違いない。では、ゲームはなくなっていくのか。それが分からないからゲーム会社は試行錯誤の真っ最中なのだろう。



PCの世界はどうだろう。
昔と比べてフリーソフトの質と量が増えてきている気がする。
ウェブブラウザも昔は有料のソフトがあったが、今は全て無料になったのではないだろうか。
実際、ネットに繋がりさえすれば多くのサービスを無料で利用できるため、有料ソフトの必要性を感じなくなっている。この傾向は今後も加速していく気がする。


世界最大のソフトウェア会社であるマイクロソフトはどうなるのだろう。
マイクロソフトはオフィスとOSの組み合わせで盤石のビジネス基盤を構築することに成功したが、これまで問題がなかったのは、右肩上がりのHW性能(CPU/Memory/HDDなど)と市場の成長に依存していたからのように思える。
PCの性能が1年で様変わりして今までできなかったことの多くができるようになったり、不満な点の多くが改善されていたら、PCが壊れていなくても買い換える人は多いだろう。さらにPCユーザー数が増え続けているのであれば、全体としてのPC市場は非常に大きなものになる。そのため、多くのPCベンダーが参入してもビジネスが成立していた。
それが、最近はHW性能が伸び悩んでおり、また、性能が向上してもユーザーが感じるメリットがほとんど無くなってしまった。HDD容量は120GBから160GBに増えても、2GBから9GBに増えたときほどのメリットがないのである。
おそらく今後は、PC市場は縮小していくのだと思う。PCの進化が止まった時、競争の基準は価格競争になり、寡占化が進むのではないかと思う。そういう状態になる前にPC事業をレノボに売り渡したIBMは先見の明があったのだと思う。そして、寡占化が進んだPCの世界では、マイクロソフトも現在のような高収益体制を維持できなくなっているはずである。そのころ、機能太りしたオフィスが市場からどう見られているか気になる。


いずれにせよ、今のソフトウェア企業は全て、何らかの形でサービス業に変わっていく気がする。