いつから「複製=盗む」になったのだろう

ニセモノの良心 : essaさんは自然法って言うな。

私は法律の難しい話や専門用語は分からない。
しかし、ニセモノの良心さんが著作権違反が「盗むべからず」を犯していると言っているが、そうとは思えない。
だって、実際には何も盗まれていないのだから。
コンテンツの所有者は著作物を複製されることで、何か失ったモノがあるのだろうか。
印刷技術が発達する前までは、著作粒の複製、すなわち写本は罰せられるどころか、とても価値有ることだったはずだ。(残念ながら、Wikipediaを見たが詳しく書かれていなかった。)
著作物は一般に人類にとって価値あるモノなのだから、それが増えることが悪いことのはずがない。
著作物において盗むというのは、どっかのレコード会社が某掲示板のキャラクタのパクってオリジナルキャラクタだと偽ったり、どっかの画家が他人の絵画を模写して自分の作品と主張したりするような「盗作」のことを言うのではないだろうか。
だから、essaさんの主張が自然法に違反しているというのは、違うと思う。


また、YouTubeに無許諾で著作物がアップロードされていることに対して、権利団体が目くじらたてている状況を見て思ったのが、「蒲焼」という小咄(こばなし)
この小咄は、鰻屋の前で蒲焼きの匂いだけをおかずにしてご飯を食べていた男に対して鰻屋の主人が匂いの代金を請求するという内容。
鰻屋の主人からすれば、蒲焼きの匂いには鰻や燃料代や労力というコストをかけているのだから、それだけコストをかけたものを無料で持って行かれているのだから、納得できない気持ちも分からなくはない。
一方、匂いをおかずにしていた男からすれば、鰻屋の主人は何も失うモノは無いのだから、料金を請求されるいわれはないと思っている。
この、鰻屋の主人と男の関係が、YouTubeを巡る著作権者とアップロード者の関係と似ていると思う。
YouTubeの動画は画質は悪いし音も悪い。時間も10分と制限されている。そんな動画が掲載されたからと言って、TV局はいったい何を失うというのだろう。そんなのにハイビジョン化しつつあるTVやDVDのような高画質のコンテンツがいちいち文句を言ってどうするんだろうと思う。蒲焼きの匂いと同じように、宣伝になると考えて放っておいた方が得ではないだろうか。
匂いだけで料金を請求したり、匂いが外に出ないようにガードするような鰻屋があったら、味が一流だとしても、二流や三流の味の鰻屋に客を奪われて、近いうちに客が寄りつかなくなってつぶれてしまうんじゃないだろうかと思う。


もちろん、今は著作権法があるのだから、それに違反していれば逮捕されることもある。でも、CDレンタルが始まった当初は"違法"だったという話も聞いたことがあるし、時代によって考え方も法律も変わっていくのだと思う。