電子コンテンツの普及の鍵は同人誌なのかも

この前の記事トラックバックをいただいた以下のエントリを読んで改めて思ったのは、電子コンテンツの未来は同人誌のような発行部数は少ないながらも根強いファンがいるようなニッチ市場にあるのではないかということ。

iPhoneで同人誌を購入・閲覧できるメリットは、
フルカラーで閲覧できるので、フルカラー印刷代を思いっきり省略できること。
加えて、売り手側から考えると、スケールメリットがてきめん出るのと、
顧客を濃いgeekに限定できるってのもいいかもしれない。

2008-08-18

電子コンテンツは当然、紙のような質は得られないが、紙ではコスト的に難しいフルカラーで作れるというメリットもある。また同人誌の購入者は基本的にネット環境が充実してる可能性も高そう。

また、iTunes Storeではローカルバンド向けにiTunes Storeの棚を有料で貸し出すサービスを提供しているとのこと。ちゃんと計算したわけではないが、CDを作るよりこっちの方が割安になるんだと思う。

一般に出版されている本やCDを電子配信すると、どうしても紙/CDとダウンロードとで価格を比較することなる。たぶん、価格が同じでもダウンロードを割安にしてもなかなか、みんなが納得する形にはならないと思う。しかし、マイナーな本や音楽なら店屋で買えないので、価格が妥当であればそれなりに売れそうな気がする。

ダウンロードで販売する場合、P2P等で無断配布されるのを恐れてかよくDRMでガチガチにされてしまうが、それは無用な心配だし使い勝手を悪くしてコンテンツの価値を下げていると思う。

今月末にはニコニコ動画で有名になった初音ミクの楽曲がCDリリースされる。CDに収録されている楽曲のほとんどはニコニコ動画で無料配信されている。それにも関わらず、予約時点でAmazonランキングで4位にまでなっているらしい。インターネットでの著作権違反のコンテンツに頭を悩ませている権利者の方々は、CDの方が音質が良いとは言え、なぜ無料で聴ける楽曲をわざわざお金を出して買うのか理解できないのではないだろうか。

個人的には「歌ってみた」系の楽曲を、CDではなくiTunes Storeで販売して欲しいと思っているのだが、いつかその日が来ることを期待したい。