「子ども手当」は働くことが子育てだと誤解している父親みたいだ

この50人分の子ども手当を請求した韓国人男性が裁判で争えば勝てるのではないかと思います。子ども手当法平成22年度における子ども手当の支給に関する法律(pdf))には支給要件として「監護」と「生計」くらいしか書いていませんので。日本が法治国家で裁判所が合法か違法かを判断する場であるならば、男性がウソを言っているのでない限り違法なのは子ども手当の支給しない市役所なのですから、男性側が勝つでしょう。

子ども手当については以前から話題になっていたので少し調べてみましたが、厚生労働省自身が法律を理解していないか、法律と違ったことを言っているように見えます。

子どもの対象年齢

子ども手当法における「子ども」とは以下のように上記法律で規定されています。

第3条 この法律において「子ども」とは、15歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある者をいう。

しかし厚生労働省子ども手当について 一問一答には

平成22年度の子ども手当は、中学校修了までの子ども一人につき、月額1万3千円を父母等に支給します。

と書かれており、厳密に言うとこれはウソです。大多数の子どもは15歳で中学校卒業なのでしょうが、様々な理由で15歳で卒業出来ない子どももいると思います。そういう場合は、中学校在学中に子ども手当の対象から外れます。

人数制限

子ども手当法では対象となる子どもの数に制限はありません。しかし、「子ども手当について 一問一答」には50人は支給対象にならないと明記しています。

母国で50人の孤児と養子縁組を行った外国人については、支給要件を満たしませんので、子ども手当は支給されません。

説明の中で「父又は母が子どもを監護し、かつ生計を同じくすること等が支給要件となっており」と支給要件を説明したり、「社会通念上考えられる主観的意思と客観的事実」といった極めて曖昧で主観的な、つまり人それぞれいかようにも解釈可能なように書かれてしまっています。それでいて、50人はダメと断言してしまっているところが理解できません。50人以上が支給対象にならないなら、法律でそう定めるべきでしょう。


子ども手当法の一条にはこの法案の趣旨が書かれています。

第1条 この法律は、次代の社会を担う子どもの健やかな育ちを支援するために、平成22年度における子ども手当の支給について必要な事項を定めるものとする。

「子どもの健やかな育ちを支援」
この文言の意味がどうしても理解できなかったのですが、何かカッコイイ事を言おうとしているのだけは伝わってきます。でもやっていることは、税金として集めたお金を子どもの人数分だけ再配布しているだけ。これって、子育てや家事で悩んでいる母親と仕事一筋の父親の関係によく似ていると思うのです。父親は子どものため家族のために一生懸命働くことが正しいと信じて疑わず、母親が父親に期待していることは全く違っているのに父親は母親の話を聞こうともしない。そういうイメージがこの法律からは伝わってきます。