竹中平蔵さんの言っている「頑張っている人」の意味
竹中平蔵さんと見られる人のつぶやきに対して、はてブで批判が集まっていました。
消費税の引き上げ前に、高額所得者の所得税と相続税を引き上げる方向に進んでいる。このままいけば今の政府は、「頑張っている人」の敵になる。
スターの多いはてブコメをいくつか引用してみます。
消費税はごもっとも。しかし相続税はむしろ課税ベースを拡大した上で、税率を引き上げるべき。高齢者がたんまり貯め込んだ個人金融資産を勤労者世代の手に戻すべき。
オマエはマリーアントワネットか。王宮にすんでんのか。世間知らずにも限度ってものがある。
がんばって高額所得者になれる社会なら、この発言は正しい。一発当てて高額所得者になるしかない社会なら、この発言は勝った者が勝ち逃げするために弄する詭弁でしかない。
これらのコメントは、竹中さんが次のように言っていると受け取ったために出たんだと思います。
- 金持ち優遇策の推進
- 金持ち以外は頑張っていない
「頑張る」という言葉を辞書で調べてみると以下のように書かれており、確かにこういうふうに思われても仕方がない発言だったとも思います。頑張っていない人はいないし、頑張っても子どもに相続できるほどの資産を貯めることなんてできない。逆に親から資産を受け取った人は頑張らなくても人並み以上の生活ができている。おまえはそんな奴らの味方なのか、と。
1 困難にめげないで我慢してやり抜く。
2 自分の考え・意志をどこまでも通そうとする。我(が)を張る。
3 ある場所を占めて動かないでいる。
ただ、自分は「頑張っている人」というのは違う意味だと感じました。それは自分の頭で考え価値を生み出し利益をあげている人のことです。具体的な例としては、ソフトバンクの孫正義さんが言っていたようなことです。
1年間で250、発明しました。1日5分間ずつで。
なかにはしょうもない発明もいっぱいありました。でも、そのうちの1つが、世界初の、フルキーボードのポケットコンピューター。マイクロコンピューターを使った、世界初のポケットコンピューター。今ではiPhoneのはしりのようなね。
これを19歳のときに発明しました。自分ひとりじゃものは完成しないんで、仲間を集める。僕を手伝ってくれ。
世界的に有名な大学教授、5、6人集めた。それでプロジェクトチームができた。
僕は学生なんで1日5分しか時間がないんで、先生手伝ってくれ。先生に給料払う。先生に空いてる時間で僕のためにアルバイトしてくれと。1時間いくら、先生に払います。
教授を雇った。
ネゴをするのはいやだから、「先生、1日にいくらかは先生が自分で決めてくれ。先生がほしい金額を出します」
こういう例は、世間一般で言う頑張っている人には当てはまらないでしょう。1日5分しか働いていないと言っていますし。でも、言い方を変えれば、1日5分という時間を最大限に活用して、自分だけでなく他人の力も借りて、大きな成果を出せた訳です。
もう少し分かりやすい例だと、ホリエモンによる起業が上手くいかない理由について説明した次の話があります。
で、これなんじゃないか?と思ったことが一つだけあった。
それは睡眠時間以外のほぼ全てを仕事に使っていないということじゃないかと。
私が8時間以上ずっと机に座ってデスクワークをしていて食事も仕事しながら摂っていたみたいな話を書いたらメルマガで質問があった。デスクワークをしていると、ついつい動画サイトやらをみてしまうんだと。動画だあ?そんなもん見てる暇ない。仕事で映画評をやるので映画の試写会にいくか、 twitterで激しくソーシャルフィルタリングされた動画とかしかみない。それもダダ漏れ系とかはちょっとだけチェックして仕事に逆戻りだ。ゲームなんかしてる暇無い。仕事でレビューが必要だからとりあえず買ってちょっとだけしかやらない。
雑誌や漫画は基本的には移動中、電波が通じないところでしか見ない。書籍は書評やレビューが必要なときにしか読まない。それも移動中が中心だ。起業して3年くらいは、友達と飲みに行くこともほとんど無かったし、異業種交流会とか講演会の類も一度も行ったことがない。そんなの行くくらいだったら講演者の書籍を自分のペースで速読したほうがいい。メルマガを発行してたらそれを読めばよい。行く時間も勿体無い。
今は違うが、当時は食事の時間も勿体無いので1Fにあるファミリーマートから弁当やら揚げたての惣菜やらを買ってきて食べてた。それすら時間がもったいなくて社員に買いにいかせたこともある。宅配の弁当屋もよく利用していた。土日も勿論ない。旅行も年に1度行くか行かないか。盆も正月も無い。ずっと仕事であった。デートもしないので、プロセスが省略できるという理由で一時期風俗にはまっていたこともある。風呂に入る時間や髪を切りに行く時間など完全に勿体無いと思って、ほとんど行っていなかった。
果ては家に帰る時間すら勿体無くなって、ずっと会社のベッドで寝ていたこともある。一時期は会社の仮眠室にシャワーまでつけていた。それくらいやったらほぼ確実に成功すると思うんだよなあ。。。
こういうことは誰にでもできることではないと思いますし、みんながそういう人間ばかりの社会は不健全のような気もします。でも、実際にそういう人は数は少ないけれどいますし、必要なんだと思います。百人力とか一騎当千とかいう言葉がありますが、こういう人は普通の人が1000人いても代わりは務まりません。竹中さんが言いたかったことは、こういうことができる人たちが日本政府を敵視したり日本を脱出してしまうことが心配だ、ということだったと思います。