GoogleやAmazonが生まれたとき、日本は何をやっていたんだろう

そもそもgoogleamazonとガチバトルして勝てる企業体力のある会社なんかあるのか?

というのを読んで、思ったことは以下の3つ。

  • ネット検索ではGoogleには勝てないだろうし、ネットショッピングではAmazonに勝てないだろうけど、他の分野ならいくらでも勝てるでしょ。
  • GoogleAmazonは昔から巨大だったワケじゃない。
  • そもそもGoogleAmazonが生まれたとき、日本は何をしていたんだろう。


Googleの設立は1998年9月7日、Amazonの設立は1994年7月。その頃の日本はバブル崩壊後の失われた10年とかをやっていた。自分はバブル時代を実体験としては知らないが、とても「イイ」時代だったらしい。

ちきりんでさえ、ディズニーランドにつれていってもらって、内定もらって“そんじゃーね”だった。

テレビでは「ジャパン・アズ・ナンバーワン」という本が話題になっていたのをなんとなく憶えている。そんな向かうところ敵なしの日本が突然沈んだわけだけど、インターネットの普及が急に進んだのもその頃だったと思う。ちょっと調べてみたら「インターネットマガジン」が創刊されたのは1994年だった。さらにバックナンバーが無料公開されている。創刊号の「パソコン通信 V.S. インターネット」という記事を読むとなんとも言えない気持ちになる。そういう先の見えない不安と何か新しいことが始まるワクワク感の入り交じった時期だった。そういう感覚を世界中で共有していたのかも知れない。そして、伸ばした足の先に道があると信じて、行動を起こした人たちの中から成功者が生まれたんだと思う。
GoogleAmazonは政府から保護してもらって成長した訳じゃない。だから運悪く倒産していた可能性だって十分あったと思う。でも仮にGoogleAmazonが失敗していたとしても、日本の企業がその代わりになれたとは思えない。少なくとも検索エンジンは日本の著作権上グレーらしいので日本からGoogleは生まれなかっただろうし、何もりも儲かるようには見えなかったから誰も手を出さなかったんじゃないだろうか。


別にアメリカ人のすべてが競争好きという訳ではないと思う。実際は逆で競争しないで済むなら多くの人はそっちを選ぶと思う。

国際競争力を持たせる為に、市場開放ってバカ過ぎる。日本を海外のエサ場にする気か。
いつまでも保護しろつってんじゃないよ。国際的に勝てる為のお膳立てが必要だ。


国内産業の保護・育成を目的に政治面で対策をするというのは、いかにもありそうな話。たとえば、日本はアメリカへの自動車輸出を「自主的」に制限していた。

その一方で81年度から始まった対米輸出の自主規制は、いつしか価格カルテルの役目を果たし、折りからの円安と相まって一時期、日本メーカーは米国市場だけで年間1兆円という信じ難い巨額の利益を稼ぎだした。(146ページ『自動車 合従連衡の世界』)

自主規制のおかげでアメリカの自動車産業は延命できたのかも知れませんが、そのコストを最終的に支払ったのはアメリカ国民のように見える。

さらに日本のバブル崩壊の後、アメリカの大統領がビッグスリーの首脳陣を引き連れて、やってきたこともあった。

1992年春、時のアメリカ大統領、ブッシュ父が来日しました。しかも、民間人であるアメリカビッグ3のCEO3人を連れ立って、自動車の押し売りに来るというのは、正に前代未聞といえる出来事でした。

こういった政治力まで活用して、様々な対策を講じた訳ですが、結局はビッグスリーの内2つは経営破綻してしまいます。


自分としては、アメリカにも日本にも優秀な人はたくさんいると思っているので、そういう人たちが十分に能力を発揮できる環境を作る方が、みんなにとって幸せなことだと思う。冒頭のエントリのバスケットボールの例に習うなら、バスケットボールの上手い人が選手に選ばれる様にするべきで、「根性」や「品格」、「履歴書のハンコが傾いている」とか訳の分からない基準でフィルタリングするのは、不幸なことだと思う訳です。


競争をなくしたらビッグスリーみたいなのが、どんどん増えていくだけじゃないかな。もしかしたら、そういう状態が今の日本だったりするのかも。