MixiとFacebookの違い

最近、はてブGoogle+が話題になっているので、ソーシャル・ネットワーク・サービス(SNS)について書いてみようと思います。

SNSとは

WikipediaではSNSを「社会的ネットワークをインターネット上で構築するサービス」と定義していますが、いまいち意味が分かりにくいと思います。それよりは、英エコノミスト誌の言う「人間関係の地図」、つまり「人間関係の可視化」の方が分かりやすいし適切だと思います。

エコノミスト誌(七月一九日号)はフェースブックを、「The cartographer of human connections」(人間関係の地図作成者)と呼んだ。フェースブック英語圏ネット空間に、「実名で自己を表現しながら社会を生き抜く」という「強いアメリカ人の強い文化」を持ち込んで標準化し、実名でこそ意味が出る「人間関係の地図」を、壮大なスケールで今まさにネット上に構築しつつあるのだ。


人間関係をネット上で可視化する場合、通常のコンテンツと違い、以下が課題になります。

  • 個人情報
  • プライバシー保護
  • 流動的に変化する


これらの課題に対応するため、「人間関係の地図」は以下の条件を満足するサービスである必要があります。

  • ユーザーからの信用があること
  • 閉鎖的(クローズド)
  • プライバシーポリシーの設定が可能
  • 常にユーザーに利用され情報がアップデートされること

Mixi利用規約問題

Mixiは当初、招待制方式により上記の条件を満たそうとし、結果、ある程度の成功を収めたと思います。しかし、Mixiは個人情報保護よりも会社経営の方に興味がありそうな利用規約改正を行おうとしたことがあり、個人的にはMixiを信用できません。

本サービスを利用してユーザーが日記等の情報を投稿する場合には、ユーザーはミクシィに対して、当該日記等の情報を日本の国内外において無償かつ非独占的に使用する権利を許諾するものとする(中略)また、同条文には、ユーザーは、ミクシィに対して著作者人格権を行使しないものとする、という文章も含んでいる。

結局、この規約改正は見送られましたが、今の利用規約でも条件付きでMixiがユーザーの情報を「使用することができる」と書かれています。「情報を使用する」とは何を意味することなのか私には分かりません。

1 本サービスを利用して投稿された日記等の情報の権利(著作権および著作者人格権等の周辺権利)は、創作したユーザーに帰属します。
2 弊社は、ユーザーが投稿する日記等の情報を、本サービスの円滑な提供、弊社システムの構築、改良、メンテナンスに必要な範囲内で、使用することができるものとします。

サービス提供のためには運営費用が必要ですし、運営費用は売上から回収しなければなりませんが、それは上記の条件が守られていることが前提です。ユーザーのコンテンツを商品にしようという考えを持つような会社に個人情報を預けようと考える人は少ないと思います。


一方、Facebook利用規約ではユーザーのコンテンツと情報はユーザーの設定によりFacebookにライセンスされると書かれています。

ユーザーがFacebookで投稿したコンテンツおよび情報は、すべてそのユーザーが所有するものであり、プライバシー設定およびアプリケーション設定を使用して、どのように共有するかを管理することができます。以下に詳細を示します。
1. 写真や動画など、知的所有権で保護されるコンテンツ(以下「IPコンテンツ」)について、ユーザーは弊社に次の許可を与えるものとします(このコンテンツには各ユーザーのプライバシー設定およびアプリケーション設定が適用されます)。Facebookで、またはFacebookに関連して投稿したIPコンテンツを使用する、非限定的、譲渡可能、サブライセンス可能、使用料なしの、全世界を対象としたライセンス(以下「IPライセンス」)を弊社に付与します。このIPライセンスは、コンテンツが他の人と共有され、その人がそのコンテンツを削除していない場合を除き、ユーザーがIPコンテンツまたはアカウントを削除したときに失効します。


結局、Mixiは日本のSNS最大手でありながら、SNSでやるべきこと/やってはいけないことの区別が出来ていないように見えます。