創作と著作権とパクリ/盗用/盗作について

福島中央テレビの盗用問題についてのエントリーで以下のブクマコメがあった。とても鋭いコメントだと思うので自分の頭の中の整理も含めて、説明を書いてみたい。

2008年05月24日 urbansea 著作権に懐疑的なブログ主さえもパクリには非寛容

はてなブックマーク - 福島中央テレビの「大野 修」アナウンサーがネットの記事を盗作したらしい件 - うつせみ日記 (Utsusemi Nikki)

このコメントの主旨を要約すると以下になると思う。
今は著作権法によって著作者の許可なく著作物を複製することはできない。ブログ主(id:hidematu)はこの著作物の複製を制限する法律には反対している。しかし、複製を制限する法律には反対しているのに、同じように著作物を複製しているはずのパクリは否定している。
つまり、このコメントには、「自由な著作物の複製を望んでるのに、なぜパクリには否定的なのか?」という疑問を含んでいると思う。

まず、大前提として自分には「創作者と創作物への尊敬」があり、この認識はみんなで共有されるべきだと思っている。自分は絵も描けないし歌も上手くない。字は書けるが上手い文書は書けない。だから「作品」とそれらを生み出すことのできる人たちをすごいと思っている。すごいと思っているからこそ、まだ「作品」を知らない人に教えてあげたいとも思う。
そうしたときに、著作者の許可がないと「作品」を公開できないという著作権法は良い「作品」を多くの人に知って貰おうとした場合に邪魔になる。それだけでなく、新しい「作品」が生まれる芽を摘んでしまっているかも知れない。ゆきさんが子猫のパヤパヤのPVをアップするときもワンカップPの許可が必要だったが、連絡がとれなければあの作品は生まれなかった。
だから、今の著作権に反対しているのは、良い作品を多くの人に知って貰って、さらに新しい作品を生むという創作の連鎖を制限しているからというのが理由。
一方、パクリ/盗作/盗用は、他人の作品を自分のものだと主張する行為だから、そこには創作者や創作物への尊敬はないし、パクリによって新しく作品が生まれることもない。作品を広める事にはなるかも知れないが、それは本来、本当の作者が受けるべき敬意や尊敬を無関係な盗作者が奪うことになる。私は、お金よりも尊敬や敬意こそが新しい作品を生み出すモチベーションになると考えているので、モチベーションを奪い創作を妨げる盗作者を許すことができない。

つまり簡単に言うと、著作権法もパクリも創作活動を妨げることになるので反対しているということになる。

追記(2008/05/25)

2008年05月25日 silvermoai 何を言ってるんだと思った。パクリOK無断複製NGの方がどう考えてもクリエイターのためになる。一億人から一円とか、マイクロペイメントの議論をループさせるつもりか

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id:silvermoai さんのブクマコメの意味がよく分かりませんでした。トラックバックでもコメント欄でもかまわないので説明して貰えるとありがたいです。
パクリOKがクリエイターのためになるそうですが、例えば著明なアルファブロガーの記事を持ってきて、適当に「てをはに」を変えて自分の著作として本を出版してお金を稼ぐことが、クリエイターのためになると言われているのでしょうか。

また、寄付とマイクロペイメントは違います。マイクロペイメントは少額決済の仕組みのようですが、寄付は契約でも決済でも取引でもありません。