ニートと少子高齢化社会と日本の危機


木村剛のコラム−外国人労働者をタブー視するな!


なんと言うか、言いたいことが全部書かれてしまっていて、書くことがない。

 厚生労働省は、若年層の失業率が9%近いことを捉え、フリーターが200万人、ニートは60万人という数字を挙げて反対しているが、フリーターやニートの若者が地下鉄の工事現場や地方の組立工場を担ってくれると考えているのだろうか。介護サービスを天職として全うしてくれると信じているのだろうか。

特にこの点について、強く同意したい。
出生率の低下の問題は人口減少ではない。
極端な少子高齢化社会が問題だ。
サポートを必要とする人間は増える一方なのに、サポートができる人間は減るだけでなく、役立たずになっていく。
もはや、国外から優秀な人間を迎え入れるしかないだろう。
能力が高いということだけが、優秀というわけではない。
やる気も優秀さのひとつだと思う。
そういう人間を人種や国籍を理由に拒絶する理由があるだろうか。
拒絶なんてとんでもない。
ぜひにでも、来ていただくべきだろう。


ただ、違う考えを持つ人も少なくない。


『「ニート」って言うな!』〜本田由紀さんインタビュー

さらに10年前との比較を見てみると、「働きたいという気持ちをもたない」人は42万人でほぼ一定。増えた18万人のほとんどは「働きたいという気持ちはもっている」人なんです。また「働きたいという気持ちをもっていない」という人についても、一生働きたくない人(世間的にはニートってこういうイメージでしょう。某テレビ番組に登場した「働いたら負けかなと思っている」君みたいな)だけでなく、進学・留学、結婚などの準備で今は働く気がないという人なども含まれており、「ひきこもり」的な人もごく一部に過ぎません。つまりニートという言葉で一般的にイメージされる、働く気のない無気力な若者の数はほとんど増えていない、ということはデータ的にも明らかだというわけです。


まず、ニートは増えていないそうだ。
理由は、いわゆるニートと呼ばれている人は実は働きたいけど働けないだけで、一生働きたくないと思っているわけではないかららしい。


ただ、ちょっと、待って欲しい。
働き盛りの若者がほんとうに就職先がないのだろうか。
最近、飲食店の店員に外国人が多いのは、店員として外国人が好まれているからだろうか。
(東京の場合ですが。)
以前、NHKスペシャルでフリーターのドキュメンタリーがあり、2人の若者を取材していた。
最後に片方は優秀さを認められ正社員になり、片方は問題を起こし解雇されて親元に戻るところで終わっていた。
解雇された方は、「謝罪すれば許す。」という人材派遣会社の説得に結局最後まで応じることがなかった。
もし、自分が同じ立場だったら、親の世話になるくらいなら、例え自分が正しくても自分が悪かったと謝って、仕事を続けるだろう。
(嫌なら、お金が貯まってから転職すればよい。)


こういう番組の内容は事実なのだろうが、「抜き取り検査」にすぎないので、実際に社会がどうなっているのかを判断することはできないと思っている。
いつの時代にも、「働き者」「怠け者」は必ずいるからだ。


ライブドア・ニュース−若年失業者の失業理由 仕事内容への“こだわり”が要因

失業者を年代別に分けてみると、15−34歳で「希望職種・内容の仕事がない」という理由による失業者は、05年には62万人に上っている。同分析は、正規雇用といった雇用形態とのミスマッチというよりも、仕事内容への“こだわり”が要因で、「希望職種・内容の仕事がない」と答えているのではないかとみている。


こういう統計を見ると、へたなドキュメンタリーより分かりやすい。
要は働き盛りの人は希望の仕事がないと言って働かず、年齢が上がると年齢制限に引っかかって働きたくても就職できなくなる。
結局、いつまでたっても働けない。


果たして本当にこの通りのストーリーなのか自身があるわけではないが、今までの自分経験と照らし合わせてみても、それほどおかしいとは思えない。


『「ニート」って言うな!』〜本田由紀さんインタビュー

ニート」が政策をミスリードする?


全くその通りだと思う。
会社でも国でも何でも、組織の指導者とは危機が迫った時にこそ真価が問われる。
ニート問題」も「少子高齢化社会」も紛れもなく国の危機だろう。
日本の国がなくなることはないだろうが、できれば訪れる不幸は最小限としたい。