ゆでガエルの喩えの正しい使い方

匿名掲示板の情報の信憑性

どこの国であれ海外の話には興味あるので、上記のような2ちゃんねるのコピペブログは面白く、ついつい読んでしまいます。
でも、中国人についての以下のような話はちょっと信じられません。

中身が無い、考えが無い、感性が無い、そんなのと話してもつまらんよ。

どこの国でもいろんな人がいるので、中にはそういう人もいるでしょうが、国民全体がそうだと言われてもという感じです。また、別の人の次の疑問に対しては「アタリ」「ハズレ」という、どうとでも解釈できる回答をしています。

職場に短期バイトでいた中国人留学生はすごい真面目でちゃんとした女の子だった
普通の日本の学生バイトよりはるかに使えたよ

あたりを引いたんだよ。おめでとう。
うちは8人中6人が当たり。だいぶ選び方が分かってきた。


話の信憑性という観点では以下のような例もありました。

これは、その日だけたまたまバス待ちの順番を守らないご老人がいた、という話ではない。「公共マナーのなっていないご老人」は結構な頻度で見かける。

バス待ちの順番を守らない老人はいるでしょうが、それが老人以外の人と比べて多いかどうかは分かりません。さらに別の増田の記事に似たような内容のエントリがあったので、それらを並べて引用します。

私も、マナーを守らないご老人を見かけたら「あなたは親や周りの大人にどんな躾を受けてきたのですか?」「お子さんやお孫さんにも『バス待ちの順番なんて守らなくていい。自分の都合優先だ』と教えているのですか?」ということまで言わないといけないのだろうか?

彼らは一体、両親や周りの大人にどういった躾や教育を受けてきたのか(あるいは受けてこなかったのか)というのが気になったりもするのだが、彼らの親はもう既にこの世にいない(可能性が高い)んだよなあ、なんてことを思う。

どちらのエントリも老人のマナーを批判する内容で、その理由が躾にあるように書かれています。単なる偶然かもしれませんが、同一人物が老人を避難するために書いた可能性もあります。

ゆでガエルの喩え話

テレビや本、ネット等で紹介されている有名な寓話として「ゆでガエル」の喩え話があります。話の要約をWIkipediaから引用します。

2匹のカエルを用意し、一方は熱湯に入れ、もう一方は緩やかに昇温する冷水に入れる。すると、前者は直ちに飛び跳ね脱出・生存するのに対し、後者は水温の上昇を知覚できずに死亡する

この話はビジネス環境の変化に鈍感な経営者や社員を啓蒙する意味で使われることが多いそうです。実際に竹中平蔵元経済財政担当大臣も使っています。そのくらい有名な話なのにこれは事実ではないという説があります。
まず、日常感覚としてもおかしいです。特に違和感を感じるのは、沸騰した湯(英語はboiling water)にカエルに入れると直ぐに脱出し生き延びるという説明です。カエルに限らず自分の体より大きな熱湯に入れられた生き物は死ぬか大やけどを負います。また、なぜ「カエル」限定なのかも疑問が湧きます。水から出られない魚は不適切ですが、両生類ならイモリでもいいでしょうし、哺乳類でもいいのかも知れません。ただ、Wikipediaによれば、カエルを熱湯に入れれば死に、徐々に水を温めれば死ぬ前に逃げ出すそうです。
比喩というのは複雑だったり理解が難しい問題を分かりやすく説明するために使われるものです。しかし、上記の茹でガエルの比喩は事実と違うために、余計、話をややこしくするか、間違った認識を持たせてしまいます。たとえば、今の為替は1ドル 81円の円高ですが、2007年は120円台でした。この為替の変化は数年かけて起こりましたが、もっと短期間であれば企業に対する影響もより大きくなっていたハズです。つまり、企業にとって恐ろしいのは緩慢な変化ではなく、突然、熱湯に放り込まれるような急激な変化です。

ゆでガエルの喩えの正しい使い方

ゆでガエルの譬え話が事実と違っていても、この話から別の事実を読み取ることができます。それは、「人々は感覚的におかしな話でも権威者(テレビ、書籍、著名人など)から説明されれば疑うことさえ忘れて信じてしまう。」ということです。これは話の内容の真実に関わらず、一つの事実です。
冒頭の中国人や老人の話の信憑性に関して言えば、そこに書かれていることをそのまま何も疑わずに信じることは、「ゆでガエル」の譬え話を信じることと同じ間違いを犯すことになります。自分で事実を確かめることができるならそれが一番良いのですが、確認が難しい場合が多いです。そうであるなら、書いてある情報をそのまま受け取ることが正しい理解につながると思います。たとえば、コピペブログにはこう書いてあった、増田にはこうかいてあった、〇〇さんはこう言っていた、という風に理解すべきでしょう。要は予断を避けるということです。
余計な先入観を捨てれば、間違った理解や判断を避けることができます。また、異なる情報ソースを比べることで、より深く理解することができます。

冒頭の「中国と関わって10年だけど聞きたいことある?」とよく似た内容。

日本では電気自動車云々と言いつつ、電動バイクの普及は警察がつまらない規制で潰してしまい、電動アシストバイクみたいな潰しのきかない無駄なテクノロジーにばかり血道をあげているし、今からではもう中国に追いつけないかも。

自動車先進国だったイギリスが赤旗法で脱落した話を彷彿とさせます。

月(ゆえ)さんやその家族も中身がない人なのか、それともアタリだったのか。